Jean-Francois Chene – La Coulee d’Ambrosia

●L’O2 Vigne/2011(ロードゥ・ヴィーニュ:シュナン・ブラン)白酸化熟成 2019年10月リリース

【2019年6月入荷】

粘土とシストの混ざる土壌構成。樹齢45年。全房プレスで小樽発酵。ウイヤージュなしで、フロールの下で約60ヶ月酸化熟成しています。酸化熟成香と果物の香りが渾然一体となり、オードヴィーを連想するところから付けられた名前です。2016年瓶詰め。
黄金色。ほどよい酸化熟成由来の酸やカラメル、ナッツ香などが感じられ、複雑な様子は香りからも充分に伝わってきます。シュナン・ブラン由来果実味や甘さがあり、酸化熟成とはいえ馴染みやすく口中へと流れ、複雑な風味が豊かに広がっていき余韻は長く続きます。レーズンなどのドライフルーツやナッツ、木樽熟成のフィーヌやブランデーの染み込んだフルーツケーキのような香りや風味が感じられ、ボディや骨格はしっかりとしていますが強すぎることがなく、アフターに心地よい調度良い甘さや果実香がやや残ります。蒸留していないにも関わらず、スッキリとしたオードヴィーのような風味が感じられ、まさにその名のとおりといった印象で、そのような風味と果実の甘みがほどよくマッチした果実感がどことなく残り、あたりや広がりが柔らかく口当たりの良い辛口の酸化熟成です。

●L’O2 Vigne/2010(ロードゥ・ヴィーニュ:シュナン・ブラン)白酸化熟成 2019年10月リリース

【2019年6月入荷】再入荷!

粘土とシストの混ざる土壌構成。樹齢45年。全房プレスで小樽発酵。ウイヤージュなしで、フロールの下で約60ヶ月酸化熟成しています。酸化熟成香と果物の香りが渾然一体となり、オードヴィーを連想するところから付けられた名前です。2015年瓶詰め。
再入荷の2010年は、前回の入荷時に比べより円さやこなれた印象が加わり、果実味が仄かに感じられる円熟な酸化熟成のスタイルとなっております。軽いシェリーの様な酸化的な香りで、カラメルやナッツはやや控えめに香り、スパイシーな香りが混ざり合います。酸化熟成としては透明感があり澄んだ飲み心地ながら口中に広がる旨味や複雑さ、深いコクが感じられます。酸もしっかりと感じられますが、シュナン・ブランを使用していることによりジュラのサヴァニャンなどよりも果実味や甘み、フルーティーな印象で円みがあります。開いてくるとラムレーズンやビターカカオなどの風味が顔を出し、より複雑さが増してきます。ふわっと鼻腔に抜ける仄かなカレーのようなスパイシーさと果実の仄かな甘い香りとともに抜けていき、余韻も非常に長くゆったりと楽しめる味わいです。
●Douceur Angevine Le Clos des Ortinieres/2005(ドゥーセール・アンジュヴィーニュ・ル・クロ・デ・オルティニエール:シュナン・ブラン)白甘口500ml
2019年10月リリース【2019年6月入荷】
粘土とシストの混ざる土壌構成。樹齢約45年。貴腐葡萄を使用し全房プレスで小樽発酵。ウイヤージュなしで軽いフロールの下で熟成このワインには区画名が入っていますが、2009年より豊穣の女神の名前をいただき、アフロディーテを名乗っています。
琥珀色で茶葉のような澱が瓶底に多くみられます。蜂蜜やメープルシロップなどの甘い香り木樽由来の軽いフュメ香やドライハーブなどが感じられます。口に含むと香りの風味の他にアプリコットやリンゴのコンポートのような風味にカルダモンやシナモンのようなスパイシーさがやや加わり、フルーツ由来の優しい甘さがほどよい酸と共にゆっくりと広がります。アフターには塩味が僅に感じられ、この塩味はバランスの決め手と言っても過言ではありません。ややとろりとした甘さと流れがありジュワッと旨味を引き出すような酸、そしてスパイスや甘草のようなドライハーブのニュアンスはそれぞれ感じられるタイミングは絶妙で、アフターの僅な塩味で甘さや風味をより引き立てつつ締まりをよくキレの良い後味です。他の甘口よりは果実感が多く馴染みやすい甘さで、蜜っぽさだけではない芳ばしさや深み、コクのある味わいはゆっくりと心を落ち着かせ贅沢な気分を感じさせてくれます。
●Amazones/2008(アマゾヌ:シュナン・ブラン)白甘口500ml 2019年10月リリース
【2019年6月入荷】
L’O2 VigneとAmbroisieの中間の時期に収穫。ウイヤージュなしで軽いフロールの下で熟成。2017年冬に瓶詰め。アルコール度数18%弱ある2005年に比べ、2008年はやや低い15%程度のアルコール度数になっています。
オレンジがかった琥珀色。2005よりもアルコールが低い分瑞々しくさらりとした口当たりで、カカオのようなビターな風味が感じられます。レーズンや蜂蜜、木樽由来の芳ばしさやカラメル、メープルシロップ、そしてほどよいビターカカオのような風味が甘さの中にどこか大人びた雰囲気を与えます。口に含むと蜜のようにゆっくりと流れ、甘さの中に香りに感じられるような複雑さやコクが加わり、酸や仄かな塩味が感じられることで抑揚が生まれます。そして2008年でありながらまだ若い果実味を兼ね備え、ブランデーやカカオのような風味や香り、甘さの中にも終始締まりのある酸が調和を保ちつつ甘すぎない飲み心地が続きます。抜ける香りに僅ながらターメリックやコリアンダーなどカレーを想わせる香りやドライハーブなどが感じられます。

●Amazones/2005(アマゾヌ:シュナン・ブラン)白甘口500ml 2018年6月リリース

【2018年4月入荷】
L’O2 VigneとAmbroisieの中間の時期に収穫。ウイヤージュなしで軽いフロールの下で熟成。2017年冬に瓶詰め。シェネの他の甘口も同様にアルコール添加などせずに自然発酵で醸造しておりますが、特にこの2005年のように約18%のアルコールに仕上がることは、脅威的といえる凄さがあります。
ウイスキーや黄金のような深い色合い。酸化的なニュアンスに蜂蜜やラムレーズン、カラメル、カカオやたばこなどが混ざり合い非常に複雑な香りで、甘やかな香りは控えめに感じられます。口に含むとアルコール約18%のためややボリューム感があり、ほどよい甘みと葡萄由来のしっかりとした酸、ビターカラメルや木樽のような芳ばしさなどの複雑な風味が順を追ってゆっくりと広がっていきます。酸化のニュアンスや酸があることで、甘みを強く感じることがなくバランスのとれた印象で、甘口ながらキレの良い仕上がりです。一つのワインの中でアタックからアフターにかけて広がる味わいや風味に変化を楽しむ事ができ、鼻腔には軽いカレーのようなスパイシーさが抜け、最初に感じられた複雑な香りは余韻に長く続きます。甘口の概念が変わる味わいと言っても過言ではありません。
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