Arnaud Chapuis

●Blanc/2017(ブラン:アリゴテ)2019年10月リリース

【2018年11月入荷】

入荷時は特に目立った問題があったわけではありませんでしたが、約1年寝かせることで、白、赤ともに良い部分が引き出されバランスの整った品のある魅力的な味わいを楽しめるようになりました。
淡いレモンイエロー。リンゴの軽いコンポートや黄色い柑橘、白い花などにマカロンやタルト生地、糸飴(シュクレフィレ)程度の仄かに飴を焦がしたような芳ばしさや甘い風味が混ざります。加えてテロワール由来の煙を想わせる香りも仄かに感じられます。ほっこりとした香りに比べ口に含むとスッキリとした柑橘のような酸が感じられ、包容力のある円さと果実味、それぞれ個性がありながらも調和良く共存しています。空気に触れると徐々に蜂蜜やリンゴの蜜のような香り、熟したカリンなどの風味が現れ深みやコクが増していき、落ち着いた果実の風味の中にアリゴテ由来の伸びやかな酸があり、溢れるような旨味と果実味が余韻に長く残ります。綺麗な酸が終始全体のバランスを整え重たさなどを感じさせず、風味の豊かさや落ち着いた印象などの良い部分を引き上げ、そして支えているような印象です。ジュラのシャルドネとジュヴォーのプレティが混ざるような雰囲気のため、私の主観としてはアリゴテとは思いにくいワインですがとても魅力的な味わいです。

●Rouge/2017(ルージュ:ピノ・ノワール)2019年10月リリース

【2018年11月入荷】

深いルビー色。入荷時は若々しいガメイを想像させる黒系果実主体の凝縮した風味が多くありましたが、現在は赤い果実を想わせる軽やかさや落ち着きのある香りや風味が感じられ、抜栓直後から引き込まれるような味わいとなっています。赤系主体の果実にやや黒系果実が混ざり合い、それに加えテロワール由来の土や煙のようなニュアンスが仄かに感じられ、香りからも緻密な果実のエキス感を想わせるほどです。軽いアタックでしなやかに流れるような飲み心地、必要最低限度のほどよい甘さで果実を煮詰めたフルーツソースのような充実した果実の風味が広がり、フランボワーズやブルーベリーのようなキュッと締まりのある酸、グレープフルーツの果皮や内皮のようなビターな苦味が爽やかさや軽さを与え、黒葡萄の果皮を噛んだようなタンニンが僅かに残ります。空気に触れるとオーヴェルニュのピノ・ノワールのような少しトーンの低い雰囲気が引き出され、だしのような風味がアフターに感じられます。若々しい新鮮な果実感とドライフルーツのような落ち着いた果実味が混ざり合うような中に、時間の経過でカカオのようなの仄かなビター感、だしのような旨味も多くなり、複雑さや深みが重なっていきます。繊細で上品な雰囲気の中に素朴さや芯が感じられる凜とした仕上がりです。

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