Michel Guignier

●Passe Temps/2015(パス・トン:ガメイ)2019年10月リリース

【2019年1月入荷】

深いガーネット色。入荷時は硬さとパワフルさが先行し、果実味は控えめに感じられる印象でした。約9ヶ月休ませたことで、抜栓時より果実香や風味が前面に出て軽やかさも加わり馴染みやすい飲み心地となり、その変化に驚きを感じるほどです。グレナデンや赤すぐりなどの甘酸っぱい赤い果実の風味にスミレ(お香)のような華やかさ、大地のような土や腐葉土などの素朴な印象が加わり、果実味のみならず複雑な要素も感じられるような香りや風味がバランスよく口中を駆け巡ります。しなやかで円みのある口当たりで負担がなく、香りは赤系果実の印象を強く感じましたが口中では黒系主体に赤い果実の酸が混ざるような果実味が広がります。豊かで密度の高い果実味と大地のようなニュアンスに綺麗な酸が全体を引き締め輪郭を作り、鼻腔に抜けるグレナデンのような甘酸っぱい風味がチャーミングさを感じさせます。時間の経過で甘草のようなドライハーブ、クローブや胡椒、ナツメグのようなスパイス香が加わり、奥行きが増していきます。ミッシェルのワインに共通するすっぴんのような素朴さがあり、その中でも重心が低くくしっかりとした佇まいを想わせます。

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