Francois GRINAND – La Vigne du Perron

●Katarina/2016(カタリナ:シャルドネ)白 2020年4月リリース

【2018年8月入荷】
やや濃い黄色。金柑や檸檬入りのりんごのコンポート、杏や梅のジャム、りんごの蜜や蜂蜜など深いフルーツの香りと芳醇な香りが混ざり合います。また、僅かに飴を焦がしたような少し芳ばしくほんのりと甘い香りも感じられコク深い印象も加わります。口中ではフレッシュ感を想わせる黄桃やプラム、りんごなどの甘い風味に干し草やドライハーブのようなニュアンスが混ざり、果実味だけではない複雑さとコンテのような旨味感が仄かに残ります。酸は果実の風味に似た印象で調和が良く、熟した果実の甘い風味に柑橘のピールのようなほろ苦さがアクセントになり、じんわりと溢れてくるような旨味と果実の風味が余韻に長く残ります。2日目以降色合いはやや褐変し酸化的な印象が若干感じられ、果実の風味は干し梅や杏ジャム、びわや梅酒の梅を想像させる風味が現れます。初日の甘さを感じさせる果実味や芳醇な香りに比べ、感じられる果実のイメージにやや変化があるので、それに伴いその果実に似た酸味が感じられるようになります。
●Ermitures/2017(エルミチュール:ガメイ)赤 2020年4月リリース
【2019年7月入荷】
明るい鮮やかなルビー色。グレナデンなどの凝縮した赤い果実にフレッシュ感のある小さな黒系果実の風味がやや感じられ、土埃のような大地や煙のニュアンスが僅かに加わり素朴な印象を与えます。瑞々しく流れるような口当たりで、苺を頬張った時のような果汁感と溌剌とした酸が印象良く、新鮮な赤い果実を想わせる甘さと上品さ、そしてだしのような風味が複雑さを与えます。熟した果実であったことが想像できるような穏やかに舌に広がる甘みは、フランソワの人柄を想わせるような寄り添うような優しい甘さで、複雑さを感じさせるだしのニュアンスは、仄かに燻したような香りは旨味感と混ざり合うことで梅かつおのような風味を想わせます。するすると口に運んでしまうような軽快なタッチながらも、全体的に上品な仕上がりで若々しいガメイのイメージとはかけ離れており、旨味と果実味が相まって落ち着いた雰囲気があり余韻は長く後をひく美味しさです。
●Persanne/2017(ペルサンヌ:モンドゥーズ)赤 2020年4月リリース
【2019年7月入荷】
中程度の赤紫色。熟したプルーンやブルーベリーなど小気味好い酸を持つ黒系果実の香りや風味に、赤紫蘇や鰹節のような香りが仄かに感じられます。モンドゥーズらしい果実由来の張りのある酸は角は円みを帯び、しなやかで馴染みやすくワインの輪郭を形成しています。軽ささえ感じさせるタッチの心地よい柔らかさで口中に流れていき、穏やかな甘さと果実味を酸が優しく包み込みながら広がります。若々しい溌剌とした果実の印象も垣間見せながら、カシスのような詰まった緻密なエキス感があり、仄かにスパイシーさや赤紫蘇、フレッシュハーブといったニュアンスが加わり流れに抑揚を感じさせます。現在は凛としたカッコ良い印象で果実味と旨味の調和を充分に楽しむことができますが、熟成していくにつれ深みや上品さ、そして繊細さが引き出され女性的な柔らかさを感じられるような驚くほどの変貌を遂げるワインです。この変化はガメイやピノ・ノワールをしのぐほどで、この先の景色を見たくなるほどのエレガントな味わいが待っています。
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