Simon Busser

●Merlot/2016(メルロー)赤 2020年9月リリース

【2020年7月入荷】

深紅の色合い。完熟した黒いベリー系の果実に、キュッと引き締まる酸を持つフランボワーズのような赤いベリー系の香りがやや加わり、太陽を燦燦と浴び、籠いっぱいに摘み取られた果実の果皮から甘やかな香りが醸しだされるような芳醇な香りが感じられます。重厚感やフルボディーのイメージを抱きがちなメルローの印象とは裏腹に、口中では軽ささえ感じさせるアタックに驚きを感じます。また、若々しい果実感を残しながら柔らかく滑らかな質感で、ほどよい果実の甘みと風味が舌を包み込むように優しく広がります。ブルーベリーのコンポートのような甘酸っぱい果実とバランスの良い締りのある酸が感じられ、アフターにかけて仄かに紅茶の風味が感じられます。時間の経過と共に、カシスリキュールを想わせる引き込まれるような香りの高さや凝縮した風味が増していき、また、レーズンやドライいちじく、タバコやインクなどのニュアンスも現れ深みを伴いながら、酸や細やかなタンニンなどそれぞれの要素が近づき一層まとまりが良く感じられます。
中心にある酸はギュッと詰まった葡萄の凝縮感に軽やかさや引き締まった印象を与え、香り高い果実の風味がそれらを優しく取り囲み、充実した味わいの中にも穏やかで温かみを感じさせるミディアムスタイルの魅力ある味わいです。
●les vin des hobbits/2019(レ・ヴァン・デ・オビット:ガメイ)赤 2020年9月リリース
【2020年7月入荷】
ややオレンジがかった軽い赤色で、プールサールを想わせるような色合いです。熟した赤い果肉のソルダムや苺、グアバ、レッドグローブなどの果実の果汁感を想わせる豊かな香りで、色調や香りからも軽快な様子が伺えます。グラスに注ぎ入れた際、これまでのシモンのワインでは初見の色合いや香りでしたので、とても期待感が湧き上がりました。口に含むとその期待を裏切ることはなく、可愛らしいフリーランジュースのような果実味が瑞々しさを感じさせながら流れ込み、澄んだ伸びやかな酸が軽やかさを引き出しながら、スムーズな飲み心地で体へと馴染んでいきます。また、仄かに果実の種子に近い芳ばしいフュメ香やドライフラワーのバラのような華やかな香りが加わり、可愛らしいフルーツのニュアンスに動きを与えてくれます。優しい甘さを携えながら果汁が溢れるようなジューシーな果実味とフレッシュ感が感じられ、のりの良い酸と相まって軽快な飲み心地は、ついついもう一杯と手が止められなくなるような明るく人懐こい味わいです。
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