Raphael Monier – Rata-Poil/Avis de Tempete

●Trousseau Chimere/2015/Rata Poil(トゥルソー・シメール)赤 2020年9月リリース

【2017年4月入荷】

入荷して3年4ヶ月経過しますが、現在に至るまで10回にわたる試飲を重ねました。当初はややパワフルで、豆などの不安定要素やアニマル香などがありネガティヴな印象がいくつか感じられました。試飲する度に少しずつ印象は変化しており、今では数日経過しても安定しており豆などのネガティヴなニュアンスは出ることがなく熟成由来の複雑さや深み、上品な様子が引き出され奥行きのある落ち着いた果実の風味を感じられるようになっております。
やや黒みがかった淡い煉瓦色。ドライ苺やイチジク煮、レーズンやドライプルーン、たばこやドライハーブ、ラムレーズンなど熟成由来の深みを感じさせる香りや風味が感じられます。色合いや香りからも伺い知れるとおり、熟成が進んだことで伸びやかな酸が全体をまとめタッチは軽やかになり繊細な印象が引き出され、ぐっと大人の雰囲気が醸し出されています。口中ではドライフルーツなどほんのりとした甘みや深みが感じられ、フルーツをブランデーに漬け込んだような風味、シナモンを振りオーブンで丸ごと焼いたりんごなどを想わせ、喉へと進むにつれ複雑な味わいが広がっていきます。軽いタッチから徐々にクレッシェンドのように風味が膨らみ余韻が長く、ナッツの薄皮やりんごの果皮を想わせる程度のタンニンが僅かに残り、落ち着きがあり奥深い風味で茸や栗など秋の食材と合わせたくなるようなイメージを抱かせます。
*アヴィ・ドゥ・トンペット
2017年は霜などの影響でラタ・ポワルの自社畑の収量が激減したことにより、それ以降自社葡萄のラタ・ポワルのワインの醸造だけでなく、他の地域より有機の葡萄を購入し平行して醸造を始めました。アヴィ・ドゥ・トンペットはネゴシアンラベルのワインとなります。
●Viognier No.8/2018/Avis de Tempete(ヴィオニエ・ヌメロ・ユイット)白 2020年9月リリース
【2019年12月入荷】
コート・ド・リュベロンの有機の葡萄を使用。
ごく僅かに濁りのある中程度の黄色。熟した洋梨や黄りんご、白い花や花の蜜などを思わせる優しく甘やかな香りに晩柑など黄色い果皮の柑橘が感じられ、甘やかで華やかな印象に爽快な印象を与え、春の花々に吸い寄せられる蜜蜂などの光景を思い浮かべます。口に含むとほんのりと甘やかに薫る白い花やその蜜などの華やかさが伺われながらもフルーティーな風味が強く、熟した果実の中に黄柑橘のコンフィチュールのような甘酸っぱい風味が混ざり合いながら広がり、僅かな濁りが旨味を感じさせます。馴染みやすいフルーツの風味と旨味を兼ね備えた辛口の仕上がりです。
●Syrah No.5/2018/Avis de Tempete(シラー・ヌメロ・サンク)赤 2020年9月リリース
【2019年12月入荷】
コート・ド・リュベロンの有機の葡萄を使用。
仄かにオレンジがかったガーネット色。赤すぐりやザクロなどキュッと引き締まった酸を持つ赤い果実のコンフィチュールのような香りに、ドライカシスやブルーベリー、レーズンなどの黒系果実のニュアンスや黒胡椒などのスパイス感が加わります。また、スミレなど紫の花や花壇などの草花の茎や葉などをイメージするような仄かに青みがかった香りがあり、華やかさと洗練された雰囲気を感じさせます。南仏のリュベロン葡萄ですがパワフルなスタイルではなく清らかな酸とチャーミングな果実味で冷涼感があり飲み心地は軽やかです。若々しく瑞々しい赤い果実の果汁を想わせるジューシーな果実味の中にドライフルーツの様な深さとコク、極僅かにジンジャーやブラックオリーブを想わせる風味やオイリーな様子も加わりながら広がり、黒葡萄の果皮を噛んだ時のようなタンニンがやや残ります。全体の印象としては果実味が多くややスパイシーなミディアムスタイルです。
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