Jeff Coutelou – Mas Coutelou

●tete a claque/2018(テット・ア・クラック:シラー、グルナッシュ、サンソー)赤 2021年3月リリース

【2020年5月入荷】
鮮やかな中程度の赤色。摘みたての苺やフランボワーズなどを主体に、熟したブラックベリーを想わせるほどよく凝縮した黒系果実の香りが混ざり合う印象。口に含むと搾りたての果汁のように瑞々しい軽快で溌剌とした果実味が、甘酸っぱく弾むように可愛らしい印象がぐっと広がっていきます。サンソーの軽やかで愛らしいアタックから、グルナッシュのドライプルーンのように凝縮したコクのある果実の風味、華やかで緻密なシラーがカルダモンのような爽やかなスパイス感を与えてくれ、これら複雑な要素が重なりながらアフターにかけて充実した様子へと変化していきます。全体的に若さ溢れる馴染みやすい味わいですが、芯を的確に捉えた仕上がりです。
●On peut pas vraiment dire que/2018(オン・プ・パ・ヴレモン・ディール・ク:シラー)赤 2021年3月リリース
【2020年5月入荷】
紫がかった鮮やかな赤色。カシスやブラックベリーなどのリキュールやコンフィチュールを想わせる黒系果実の凝縮感溢れる様子に、フランボワーズやクランベリーなどの赤い果実のソース、紫の花やダージリンティー、生姜などが混ざり華やかなアクセントが加わります。伸びやかな酸による冷涼感があり、口当たりはミディアムタッチで柔らかな質感、芳醇な果実のエキスは緻密で雑味がなく、風味は口中を覆うように広がります。若々しい果実だけではなくダージリンや生姜のような風味が加わることで、しっかりと熟した葡萄の果皮などをイメージさせる充実した果実味の中に複雑性がうまれ、余韻には香り高き印象が続きます。時間の経過とともに味わいの幅が広がり、上品で凛とした雰囲気のある仕上がりです。
●La Vigne Haute/2018(ラ・ヴィーニュ・ウットゥ:シラー)赤 2021年3月リリース
【2020年5月入荷】
仄かに紫がかった深紅の色合い。ベリー系の小さな赤系果実と黒系果実のドライフルーツの香りが主体に、黒糖や紅茶、紫の花やバラ、仄かに菊芋のような香りが感じられます。吸い込まれるような果実のエキスが集約した香りがグラスから立ち昇り、思わず顔を近づけたくなるような魅惑的な印象を受けます。すっと沁み込んでいくような軽さを感じさせるタッチで、熟したブラックベリーやカシスなどの香り高い黒系果実のリキュールやコンフィチュールを想わせる風味に、赤系果実の小気味良い酸やジューシーな印象がバランス良く絡み合い、冷涼感を感じさせながら広域に膨らんでいきます。緻密な果実のエキスからは若々しいニュアンスだけでなく、深みや複雑性も充分に兼ね備えていることを感じ取ることができます。エレガントで妖艶な雰囲気の中に芯のしっかりとしたブレない様子が伺え、心地良い充実感を味わうことができ、この先の熟成での変化も大いに期待が湧く仕上がりです。
●Djinn/500ml/NV(ディジン:フィーヌ、ジュニパーベリー、レモン、生姜)ジン 2021年3月リリース
【2019年7月入荷】
2016年のワインを2018年にアランビックで2回蒸留。蒸留液の中間部分だけを3回目の蒸留にかける。そしてジュニパーベリー、レモンの内皮、生姜を入れて4回目の蒸留。その後ステンレスタンクで6ヶ月間休ませることでアルコールを馴染ませ、アルコールが40%になるまでミネラル分の低いルク山(ジェフ・クトゥルーによると加水に最も適した水)の天然水を加えて調整する。
ヒノキやモミの木などの針葉樹、ムスク、レモンやライムのような柑橘の香りがふわりと香り、木漏れ日の中で森林浴をしているような想像を掻き立てます。また、ラムネの香りも仄かに感じられどことなく懐かしさを想わせます。時間と手間をかけた製造工程により口当たりは柔らかく、アルコールを強く感じることはありません。フィーヌがベースでボタニカルを多く漬け込んでいないため、トニックなどで割るとこのジンのピュアな印象が半減してしまうように感じます。ストレートで軟水のチェイサーを添えて頂いたり、また、軟水を僅かに加えて頂いたり(1割弱や垂らす程度)、純度の高い氷をひとかけら浮かべるなどして頂くと、まろやかさが引き立ちます。
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