Alexandre Jouveaux

*2014年ヴィンテージは、4年休ませてからリリースした2011年ヴィンテージと似ており酸主体の印象が強く、入荷後しばらくの間は果実味などが前面に現れないフラットな味わいでした。そのため試飲の度にリリースを見送って参りましたが、5年の時を経てようやく酸主体の味わいから豊かな果実の風味や、それぞれのキュヴェの雰囲気がしっかりと感じられるようになりました。この美味しさは充分に伝わることと思いますが、デキャンタージュや早めに抜栓をするなど、空気に触れることで解きほぐされ、円さや果実味が引き出されます。欲を申し上げるなら更に数年寝かせることで、より一層真価が発揮されることでしょう。アレクサンドルのワインは冷やし過ぎると酸が強調されフラットな印象に感じられますので、比較的高めの温度の方が香りや味わいに膨らみが出てより良さが感じられます。

●Combarnier/2014(コンバルニエ:シャルドネ)白  2021年4月リリース

【2016年4月入荷】
中程度の黄色。黄柑橘の香りが主体となり、加えて淡いパイナップル、りんごやカリン、びわなどの熟した果実の香り、メレンゲ菓子や白い花、火打ち石などの香りが感じられます。一瞬舌先にピリッと刺激する程度のガスがあたりフレッシュな印象を与え、柔らかい口当たりでややふっくらとした果実味と優しい甘味が穏やかに広がり充実した様子が見受けられます。芯のある酸と仄かに感じられる塩味が全体を引き締め、溢れ出るような旨みと余韻が長く続きます。時間と共に香りや風味が一層引き出され、花の蜜や熟したみかん、柑橘の内皮を想わせるほろ苦さなどが感じられるようになります。シャープな中にも旨味と果実味が感じられる味わいです。
●Prety/2014(プレティ:シャルドネ)白 2021年4月リリース
【2016年4月入荷】
レモンイエローの色合い。青りんごや青みかん、甘夏やレモンなどの柑橘などの果実香に、プレティ特有のビターカラメルを想わせる芳ばしい香りが感じられます。口に含むと甘夏の粒が弾けるように全体をキリッと引き締める柑橘系の酸が感じられますが、優しく舌を包むような仄かな甘みとビターカラメルの風味が円みを帯びた印象や旨味、コクなどの要素をしっかりと引き出しており、アフターにかけて穏やかな果実の風味が徐々に膨らんでいきます。また、空気に触れることで、蜂蜜や熟した柑橘、ややオイリーな様子も現れ充実した風味と奥行きが感じられる旨味感満載の1本です。
●Le Mont/2014(ル・モン:シャルドネ)白 2021年4月リリース
【2016年6月入荷】
仄かに青みがかったやや濃い黄色。熟した日向夏や八朔、レモンなど和柑橘を想わせる果実香に、白い花や若葉、鉱物的な香りが加わります。黄色やオレンジの果皮を持つ柑橘が混ざり合い果汁が溢れるように瑞々しい印象で流れ込み、仄かな甘みや張りのある酸と共に旨味がじんわりと溶け出してくるように大きく広がります。時が進むにつれ、白葡萄を皮ごと頬張った時のような果実味と果皮の仄かに青みがかった爽やかな風味が感じられ、よりフルーティーな印象が増していきます。また柑橘の内皮を想わせるほろ苦い風味もアクセントとなり抑揚があり、旨味や果実の風味が余韻に長く続く魅力的な味わいです。
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