Simon Busser

●Merlot/2021(メルロー)赤 2022年11月リリース

【2022年8月入荷】
粘土質土壌の樹齢約25年の葡萄。全房で7日間開放タンクでピジャージュを行いながらマセラシオン。その後コンクリートタンクで3ヶ月熟成。
中程度の赤色。カシスやブラックベリーなどの黒系果実のリキュールに、赤い果実の果汁を混ぜ合わせたような香りが感じられ、色合いや香りからミディアムタッチの軽やかなイメージを抱きます。口に含むとピリピリと舌先を刺激するガスがあたり、若々しさを感じさせます。摘み立てのベリー系果実を搾ったような瑞々しさが感じられスムーズな飲み心地で、黒系果実の緻密なエキス感に赤い果実の弾むような酸が加わり軽快な印象を与えています。また、葉付きの苺のような仄かに青みがかった様子が伺え、清涼感や上品な雰囲気を感じさせます。若さ溢れる可憐な果実感としっとりとした品のある印象が混ざり合う軽やかな仕上がりです。
●Printemps/2021(プランタン:マルベック、メルロー、タナ)赤 2022年11月リリース
【2022年8月入荷】
粘土珪質土壌の樹齢約30年の葡萄。コンクリートタンクで1ヶ月間のマセラシオン。その後コンクリートタンクと600Lの樽で12ヶ月熟成。
中程度の赤紫色。ブルーベリーやカシスなどの黒系果実のコンフィチュールや、グレナデンのような充実した赤い果実の香りが混ざり合うような香りを主体に、赤スグリやザクロなどキリッと引き締まった酸を持つ果実の香りが加わります。口に含むと瑞々しささえ想わせるミディアムタッチ。それでいて円みを帯びた様子で穏やかに口中へと流れていきます。カシスリキュールやブラックベリーなどエキス感のしっかりとした風味にカルダモンやコリアンダーなどの爽やかなスパイスのニュアンスが加わり、溌剌とした印象で口中に広がります。全体に輪郭を与えるようなメリハリのある小気味良い酸、アフターに仄かに感じるピンクグレープフルーツのような風味やほろ苦さが、若々しい緻密な果実の風味とバランス良く溶け込み、抑揚を感じさせる仕上がりです。
●Originel/2019(オリジネル:マルベック80%、メルロー20%)赤 2022年11月リリース
【2022年3月入荷】
やや粘土の多い粘土石灰質土壌の樹齢約30〜35年、メルロー、コーの混植の畑。除梗した葡萄を開放タンクでピジャージュやルモンタージュを行いながら1ヶ月間のマセラシオン。その後18ヶ月フードルで熟成。
深い赤紫色。ブラックベリーやカシスのリキュールを想わせる香り高くエキス感のしっかりとした黒系果実の香りに、フランボワーズソースのような酸の効いた赤い果実や紅茶などの華やかな香り、インクやドライフラワーなどの深みを感じさせる印象が加わります。口に含むと凛とした張りのある酸が感じられ、香りの凝縮感のある印象とは裏腹に瑞々しささえ感じさせる軽やかなタッチで驚かされます。雑味のない伸びやかな飲み心地で馴染むように広がり、黒系果実の緻密な風味が口中を覆うように膨らみます。徐々に充実した果実味に紅茶のようにかぐわしい高貴な風味が重なり、上品な印象に拍車がかかり、奥深い果実の様子と気品に満ちたミディアムスタイルの仕上がりです。この先の熟成で繊細な質感や飲み心地が引き出され、更にエレガントな印象が増していくことでしょう。
●Vieilles Vignes/2020(ヴィエイユ・ヴィーニュ:マルベック)赤 2022年11月リリース
【2022年8月入荷】
小石の多い粘土石灰質土壌の樹齢約50年の葡萄。コンクリートタンクでルモンタージュを行いながら1ヶ月間のマセラシオン。その後フードルで18ヶ月熟成。2018年ヴィンテージまでポリチネルというワイン名でしたが、2019年ヴィンテージからワイン名とエチケットが一新しています。
エッジがやや紫がかった深紅の色合い。レーズンやカレンズなどの小さな黒系果実のドライフルーツや黒糖など深みやコクを感じさせる香りに、フランボワーズソースなど赤い果実や紅茶、赤や紫の花々などの香りが溶け込み、上品な印象を感じさせます。柔らかく滑らかな口当たりで雑味がなく、口中に膨らむ果実は緻密で、カシスリキュールや紅茶など華やかでかぐわしい風味が流れるように広がり、飲み心地はすっと通り抜けるような印象でありながら、しっかりと足跡を残すように風味は長く留まります。若さの感じられる果実味に複雑性やエレガントな様子も兼ね備えており、現在も充分に魅力を感じられますが、この先の熟成の過程で、更に繊細で上品な印象や複雑で奥行きのある味わいが引き出されていくことでしょう。
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