Michel Guignier et Daniel Millet

【ミッシェル・ギニエ】

*2023年ヴィンテージについて

La R’vole 2023(2024年11月にリリース)に続き、同ヴィンテージのMystere de RoseeとOh…!をご案内するにあたり、ヴィンテージの特徴についてお伝えいたします。2023年は、私の知識の範囲に限りますが、干ばつの影響を受けた南仏や、収穫時期に悪天候に見舞われたロワールの一部のエリアを除き、フランス全土で概ね優れたヴィンテージとなりました。季節ごとに適度な気温や太陽、雨、風といった理想的な条件に恵まれ、夏はほどよく乾燥し、ぶどうがバランス良く熟しました。また、発酵も比較的スムーズに進み、味わいが例年よりも早い段階で整いました。その結果、ワインは一般的に果実味と瑞々しさを兼ね備えたバランスの良い仕上がりとなっています。

ミッシェルが畑を所有するフルーリーとムーランナヴァンのエリアにおいては、7月から9月にかけて3度の雹被害に見舞われましたが、それでも例年に比べてバランスの良い栽培シーズンを過ごせたと話しています。彼のワインには常に凝縮感と冷涼感があり味わいが充実していますが、2023年ヴィンテージは、若い段階から既に伸びや張り、さらに複雑味をも感じられる素晴らしい仕上がりとなりました。La R’vole 2023も含め、今回リリースのMystere de Rosee 2023とOh…! 2023は、いずれもミッシェルのエントリーキュヴェです。一般的にエントリーキュヴェは喉を潤すフルーティなスタイルが主流ですが、彼のワインはそれに留まらず、厳格さや精度の高さが際立っています。ミッシェルが日頃から非常にストイックに仕事に取り組む姿勢は、BistereやMoncailleuxといった上級キュヴェのみではなく、どちらかというとこれらのエントリーキュヴェの方がよりストレートに表現されているのではないかと感じます。

【ダニエル・ミイェ】

*ダニエル・ミイェとの出会い

私とダニエルとの出会いは、2024年春に開催された試飲会でのことでした。そこには約40名の生産者が参加し、200種類ほどのワインを試飲しましたが、残念ながら私の心に響くものには出会えませんでした。試飲会では大抵の場合こうした結果に終わりますが、やはり期待を持って臨む分、「今回もまた見つけられなかったな…」と落胆してしまうのは避けられません。そんな気持ちで会場を後にしようとしていた時、偶然にも前日に知り合った方に駐車場で再会しました。「今あっちの方でみんなで美味しいワインを飲んでるから、帰る前に一口飲んでみてよ」と誘われ、行った先でワインを注いでいたのがダニエルでした。彼と挨拶を交わし、まずは一杯、と注いでもらったワインが、今回初リリースとなるHaut de Balmont 2022でした。このワインのテイスティングコメントについては生産者紹介文で触れていますが、一口味わった瞬間、その日の疲れや沈んだ気持ちが一気に吹き飛び、深く心を揺さぶられるような衝撃を受けました。「うおぉぉ、これこれ!!!」と思わず声に出してしまうほど、インポーターとしての私の魂に響くものでした。

今回、ダニエルのワインを日本で紹介できるのは、まさに人と人との繋がりがもたらしたご縁の賜物だと感じています。こうして皆さまにご案内できることを、大変嬉しく思っております。

 

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