David Léclapart

 ダヴィッド・レクラパール

ランスの南東に位置するTrepailトレパイユにある蔵元。
ダヴィッド レクラパールは、3haの畑を所有しています。この半分に相当する1.5ha分はネゴシアンに売却し、選りすぐった約半分について醸造からビン詰めまでを自身で手掛けています。ダヴィッドはアヴィズの醸造学校を卒業後にバイオダイナミクスを学び、4大原則である「ピュア、エネルギー、喜び、エコロジー」の考えのもと、殺虫剤、除草剤や化学肥料を使用せず、可能な限り高品質なシャンパーニュの醸造に適したブドウを得るために、収穫量を平均の30%程度に抑えています。また、ワインは全て単一品種及び単一ヴィンテージで構成されており、門出のリキュールも全く添加しないでビン詰めします。若い内は土地由来の純粋な硬質感を楽しむことができ、寝かせることで深い奥行きと複雑性を味わうことができるシャンパーニュです。

もともと有機栽培に関心を寄せていたダヴィッドは1994年、ボージョレー地方の有名な農業学校エコール・ド・ボ―ジュに通い、土壌の微生物学を専門とする農業技師クロード・ブルギニヨンやLeflaiveをはじめ数々のドメーヌにビオディナミを伝承したフランソワ・ブシェらの素晴らしい講師と出会い、自身の哲学の基礎を築きました。そして当時シャンパーニュ地方でも先駆けとしてビオディナミを試行していたLeclerc Briantで、95年から96年秋まで働いた後、1998年に家族経営のドメーヌを後継しました。両親の時代には80%のブドウをネゴシアンに販売し、有機農法やビオディナミは取り入れていなかったため、まずそのすべてをリセットすることから取り掛かり、①ビオディナミへの転換、②自身の手によるシャンパーニュで、異なるいくつかのキュヴェを造る、③自然な素材でありワインにとって最適な「住まい」である樽を使った醸造を取り入れる、という3つに重点を置き、加えて、全てのキュヴェを単一品種かつ単一ヴィンテージで造り、トレパイユのテロワールとヴィンテージの特徴を表現するように心がけています。「0からのスタート」(フランスではアルファベットの最初の文字である「Aからのスタート」と表現)という思いをワイン名に込めて、キュヴェの名前は全て「A」で始まります。