Fabrice MONNIN – Maziere

ファブリス・モナン(マジエール)

ファブリス・モナンと妻の桃子さんが2001年にブザンソンでカーヴ・ア・マンジェ(食べられる酒屋)である「Les Zinszins du Vin」をオープンしました。タパスや小皿料理、お寿司やデザートなど、それらに合ったナチュラルワインを選び提供するスタイルで、当時は有名な造り手から無名の生産者のものまで約2000種類のワインを揃えていました。その頃にテイスティングを重ね、また、J・P ROBINOTで収穫をしたり、Claude・Courtois、Pierre・OVERNOY、Jeff・Coutelouなど多くのナチュラルワインの造り手と時間を共にし学びました。その中で、やはり自分自身で携わることが一番大きな学びを得ると考え、2003年にジュラの葡萄を購入しハウスワインを造りました。その頃から既に長い熟成を経たワインに魅力を感じ始めており、当時の一般的なジュラワインよりも飲み心地の良いオヴェルノワやガヌヴァのような生産者のワインを目指し、自分たちのスタイルを見つけるために多くのことを学ぶ期間でもありました。少しづつ近代的なワインに興味を失い、小さな職人的な造り手、その情熱や時間により惹かれていきました。

Jean-Michel Labouygues、彼の造るマジエールは常に正確なワインではありませんでしたが、本質、情熱と夢がありました。醸造のレシピも妥協もなく、ただ良い葡萄の味とゆっくりとした熟成期間が葡萄やテロワールの特徴を昇華させていました。彼のワインはその時の流行から最も遠く、でも時代に消されること無く、真似のできないテロワールに根ざした自然な美しさが感じられるものでした。Jean-Michelが亡くなった後、娘のJudith Labouygueが少しの間ドメーヌを引き継いでいましたが、数年間放置されていた畑なども含め存続させたいという思いが強く、ファブリス・モナンが2013年よりマジエールを再開することになりました。昔ながらのワインの考えを守りながら、決められた道(型にはまった普通のワイン)から外れることを理解し、長い緻密な準備をする。現代に生きるすべての問題を抱えながらも、今まであったワインのスタイルを続けていくこと、自由なワインを造ることに誇りをもち、原点であるJean-Michel時代のマジエールの再生とファブリスの新しいスタイルの融合で、彼らしいマジエールを表現していくことに日々挑戦しています。

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