Jeanne Gaston Breton – La Ferme des 9 Chemins

ジャンヌ・ガストン・ブルトン(ラ・フェルム・デ・ヌッフ・シュマン)

ジャンヌは2020年からレッシュフェルという人口約300人の小さな村でワイン造りをする生産者です。山奥に位置するこの村で最も盛んな活動はワイン造りで、長年葡萄栽培で生計を立ててきた彼女の両親もその商業に携わる人の一人でした。幼い頃から大自然に囲まれ、畑仕事をする両親の姿を見て育った彼女にとって、いずれこの家業に加わることは必然的でしたが、次第に自身の手で育てた葡萄を使ってワインを造ることに興味を持ち始めます。2010年代後半から醸造学校に通い、クリスチャン・ビネールを始めとするアルザス地方で活躍する生産者の元で研修を経た後に自身のドメーヌを立ち上げます。現在は家族でレッシュフェルとその周りの村に合計約7haほどの畑を所有していますが、その中でも最も素晴らしい区画は両親が30年ほど前に敷地内の森の一部を開墾して作ったテラス状の畑です。当時はビオ栽培などほとんど行われていない時代だったにも関わらず、彼らは開墾当初から一度も畑に農薬を散布せず(ビオ栽培において使用許可される農薬の一部を除く)、更にはトラクターなど大きな機械での介入を避け、限りなく自然に近い状態を求め丹念に作業をしてきたそうです。2019年にジャンヌが加わり、葡萄の栽培方法をビオディナミへと更に進化させました。彼女は醸造では亜硫酸を含む一切の添加物を使用しませんが、幼い頃からこの様な環境下で育ってきた彼女にとってはごく自然な流れであると感じます。物静かなジャンヌのワインには、どこか穏やかさや柔らかさが感じられ、飲み手をホッとさせてくれる様な印象を受けます。これらの性格的な特徴に加えて、彼女のワインにはベースとして強い冷涼感と石の様なミネラル感や塩味など、テロワール由来の深みのある味わいも強く感じられます。主張的ではないのにも関わらず個性的なワインを造る、魅力に溢れる生産者です。

・所有面積:7ha中1haを自社で醸造する。

・テロワール:主にグレ(赤い砂岩と赤土が混じり合った構成)とシスト。

・栽培方法:ビオ、2019年以降ビオディナミ

・品種:リースリング、オーセロワ、シルヴァネール、ピノ・ノワール

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