Marie Bourdon

マリー・ブードン

2020年よりジュラ地方のアルボワでワインを少量生産している生産者です。
彼女はパリ郊外出身で、農業とは無縁の環境で育ちました。学生時代も農業に関する勉強を特に自発的にしたことはなかった彼女でしたが、パリの外食文化故に少しずつソムリエの仕事に惹かれていくようになり、高校卒業後、2013年に当時一番興味を持っていた職業のソムリエの資格を取ります。その後2年間はパリのレストランで勤務していましたが、ワインを扱う者として、次第にその根本である造り方に興味を抱き始めます。
フランスではどんな人でも、どんな年齢でも、自身の進みたい方向へ進む文化が根付いています。フランス人は行動が早く、例えその道が自分には適していなかったとしてもそれを失敗と捉えることは稀で、その後また新たな道を探します。
マリーもその一人でした。彼女はサービス業から一度離れ、ワイン生産という新しい世界を知るために1年間フランス各地を周り、様々な生産者の元で季節労働者として住み込みで働きました。こうして多くのワイン生産地を転々とした結果、最も彼女が魅力を感じた場所がジュラのアルボワでした。
その後2016年〜2022年までの7年間はラタ・ポワルのラファエル・モニエの元でフルタイムで働き、2年目の2017年に彼と共に「Avis de Tempête」というネゴスプロジェクトを立ち上げます。2020年には自分自身のワインを造るために個人で畑を借り、その3年後の2023年に合計1.35haの畑を所有し独立しました。
彼女の畑の土壌はジュラの典型的な高濃度の粘土質ではなく、赤土や砂を含む比較的痩せた構成の粘土石灰質。この様な土壌から造られるワインには一般的に硬質なミネラル感由来の鋭さや繊細さが伺え、軽快な仕上がりになる傾向があります。そしてこの特徴に加えて、マリーは醸造時に亜硫酸を含む添加物は一切使用せず、ヴィンテージ毎に天候と葡萄の状態に合わせて醸造方法も躊躇なく変えます。そんな彼女のワインはどこか穏やかで、主張は控えめ、繊細なタッチが心地よく、飲み手に負担を感じさせない飲み心地に仕上がる傾向があり、典型的にスケールが広い特徴を持つジュラワイン(特に白に関して)とは少し異なるスタイルを持ちます。*畑及び栽培
標高300M、アルボワに1.35haの畑を持つ。
トゥルソー(0.5ha):南向きの赤土石灰質土壌、ステンレスタンクで醸造。
シャルドネ(0.85ha):北向きの砂・粘土質土壌、ステンレスタンクとフードルや樽を使い分けて醸造。それぞれの味わい次第でブレンド比率を調整する。

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