Fabrice Dodane – Domaine de Saint Pierre

●Arbois blanc Chapon/2018(アルボワ・ブラン・シャポン:シャルドネ)2019年11月リリース

【2019年8月入荷】

黄金色。りんごやパイナップル、黄桃などの甘やかな果実の香りに糸飴のような仄かな芳ばしさが混ざります。また、栗のホクホクとしたイメージが湧くようなニュアンスも僅に感じられます。優しい甘さを感じるアタックでややボディはしっかりとした様子が伺えますが、綺麗にのった澄んだ柑橘系の酸と甘さや風味が共に広がり、アフターには果実香だけではなくアミノ酸系の旨味が残ります。その酸が支えとなって輪郭を作り味わいがぼやけることがなく、ボリューム感を突出させずバランスを整え、たっぷりと果実感を楽しむことができます。時間の経過で、更に蜂蜜やりんごの蜜のような芳醇さ、黄桃やパイナップルの缶詰を想わせるフルーティーな風味が相まって、黄色やオレンジ色の果実をたっぷり使ったタルトをイメージするような味わいが感じられます。

●Arbois rouge Ploussard/2018(アルボワ・ルージュ・プールサール:プールサール)2019年11月リリース

【2019年8月入荷】

仄かにオレンジがかった淡い赤色。ドライ苺などの赤い果実の凝縮した香りに新鮮な果汁感、それに加えドライハーブや若葉、バラやお香のような複雑な要素を加える香りも混ざり合うような印象です。色合いや口当たりは繊細で淡い味わいを想像させますが、優しい甘さにしっかりとした味わい、僅にピンクグレープフルーツのような爽やかなほろ苦い柑橘の香りが加わり、アフターには仄かな塩味が残ります。軽くスムーズな飲み心地ですっと染み込むように体に染み渡り、香りや風味は華やかで複雑さも伴いエキスの詰まった味わいが広がり奥行きも感じられます。繊細で上品な口当たりとアフターにかけて長く続く力強いしっかりとした味わい、引き込まれる要素が備わった仕上がりです。
●VdL Les Larmes du Paradis/NV(レ・ラルム・デュ・パラディ:シャルドネ、トゥルソー)2019年11月リリース

【2019年8月入荷】

ウィスキーのような淡い琥珀色。レーズンやたばこ、ラムレーズンなどの香りに、ドライフルーツやナッツなどの少しオイリーなコクを感じさせます。また、シナモンやクローブ、スパイスを使ったパンデピス、ブランデーがたっぷりと染み込んだフルーツケーキを想わせる魅惑的な香りも徐々に現れます。甘さは舌の中盤くらいまで感じられますが、ほどよい酸が補ってくれることですっと甘みが軽減され、葡萄の風味も引き立ちます。酸があることで軽ささえ感じるタッチで負担がなく、口中に残る甘やかな風味と複雑な香りが長く続き、ゆっくりとした時間が流れます。

●VdF rouge Le P’tit Cote/2017(ル・プティ・コート:グルナッシュ)2019年11月リリース→ネゴシアンラベルのワインです

【2019年8月入荷】

2017年は霜などの影響によりサン・ピエールの畑の収量が激減したため、買い葡萄で醸造を行ったネゴシアンラベルのワインです。
真紅の色合い。カシスリキュールやドライプルーンなど凝縮感のある果実の香りで、若々しく元気な印象を香りや色合いからも感じます。口に含むとほどよい甘さが舌先にあたり香りの凝縮感や品種のイメージよりも軽いタッチで甘酸っぱいカシスソースなどを想わせる緻密で明るい果実味が広がります。キュッと引き締まる酸が軽快で風味を引き立て充実した果実味に軽さを与え、それに加え仄かに胡椒のようなスパイシーな風味がアクセントになり僅にドライなタンニンが残ります。甘さと酸、果実味の印象が三位一体となり馴染みやすく甘酸っぱい溌剌とした味わいが楽しめます。

 

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