Hirotake Ooka – La Grande Colline

●Le Canon Rouge/2021(ル・カノン・ルージュ:シラー50%、グルナッシュ50%)赤 2022年7月リリース

【2022年6月入荷】
2017年以降のル・カノンはミュエル・モンジェルモン氏が醸造しています。サミュエルはラ・グランド・コリーヌの設立に関わった人物で、今でも共同経営者としてドメーヌの運営に参画しています。ワイン関係の法律に詳しいだけでなく、シャトー・ヌフのとあるドメーヌにて醸造責任者を務めており、2017年以降ル・カノンはここで醸造されています。
手摘みで収穫後、除梗し2週間セメントタンクにてマセラシオン。プレスの後タンクで発酵・熟成。
深紅の色合い。ドライプルーンやレーズンなど凝縮感のある果実の香りに、フランボワーズなどの赤い果実のソースを想わせる甘酸っぱいニュアンスが混ざり、加えてスミレの花や紅茶のような華やかな様子が感じられます。若々しく充実感のある果実味をイメージさせながら、飲み心地は滑らかな質感の伸びやかに流れるようなミディアムタッチ。ドライフルーツを想わせる風味に赤いベリーソースのキュッと引き締まった酸や風味が溶け込むことで、豊かな果実味に愛らしさや軽やかさを与えています。紅茶のような香り高い印象も感じられ洗練された上品な佇まいで、アフターには仄かに生姜のような締まりを感じさせるスパイスの香りが抜けていきます。冷涼感があり雑味のない緻密な果実感をたっぷりと感じられる仕上がりです。
●Cornas/2015(コルナス:シラー)赤 2022年7月再リリース
【2022年6月再入荷】
2017年2月に販売したアイテムの再入荷となります。
ラ・グランド・コリーヌ設立当時に購入していた山林が、開墾して葡萄を植えることでコルナスのアペラシオンの取得が認められることになった2006年から、大岡さんが自ら開墾を始めた極めて急峻な畑です。大岡さんの師であるティエリー・アルマン氏の畑より高くローヌ川が眼下に広がる、森に囲まれた日当たりの良い場所に位置しており、2011年のファーストヴィンテージから2017年ヴィンテージまで大岡さんが醸造しています。
コルナスは、グラスファイバーのタンクで全房発酵させた後に、通常は500Lの樽に入れて2年以上の熟成を経てからリリースとなりますが、このワインは発酵が終わった直後にも関わらず既にワインが完成しており、瓶詰め前の試飲でも樽熟成を経てアッサンブラージュしたかのような味わいでした。それは瓶詰めした後でも微動だにせず、飲んだ生産者たちの多くは驚愕していたそうです。コルナスを深く知る人たちの言葉を借りるなら「これこそコルナス」。以前販売した2017年当時の大岡さんによると、自分の判断が正しいならコルナスとしての真価が発揮されるのは10年以上先になると思うが、今はとてつもなく美味しくて、その味わいは他には滅多にないほど新鮮であり、深い果実味を楽しむことができるとのことでした。あれから5年経過し再入荷となりましたが、若々しさを感じられる果実の印象から熟成由来の奥深さや複雑性、エレガントでしなやかな様子が溶け込み、唸るような素晴らしい変化を感じて頂ける味わいとなっております。
エッジにオレンジがかった様子が見られる深いガーネット色。レーズンやガレンズ、ドライプルーンなど黒系果実の凝縮感のある香りに、赤い果実のドライフルーツ、ブランクオリーブ、カカオ、醤油、枯れ葉などの香りがバランス良く溶け込み、熟成による複雑な様子が色合いや香りからも充分に感じとれるほどで、引き込まれるような印象を抱きます。口に含むとシルキーな滑らかさでしっとりと広がり、以前の葡萄果汁のような溌剌とした若々しい果実の印象から大きく変化し、充実感のある果実味に加えブラックオリーブや枯れ葉などの風味が絶妙に溶け込み、深みや奥行きを与えながらクレッシェンドのように広域に膨らみます。繊細な口当たりや魅惑的な熟成感と果実の掛け合い、余計なものが削ぎ落とされ綺麗な円のように角がなく、エレガントで複雑性に富んだ味わいを感じて頂けます。この先の熟成による更なる変化にも期待が湧きます。
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