Jerome Lambert

●Melodie en Sous Sol／2015（メロディー・オン・ス・ソル：シュナン・ブラン）2019年10月リリース

【2017年11月入荷】

2015年の白は最も早く収穫したクーレ・ド・ソース（2019年6月販売済）ほぼ10日後に収穫したアン・ブラン・グルマン、さらに10日ほど遅らせて収穫したメロディ・オン・スソルの、収穫時期のみが異なる3アイテムが入荷しました。どのワインも入荷後しばらくは還元的で一部には豆のニュアンスも感じられ、クーレ・ド・ソースを除いてそれぞれの個性を区別し難い印象がありましたが、今年1月上旬の試飲では豆のニュアンスは綺麗に解消され各々の個性が徐々に現れ始めておりました。また、その後の状態は5月末の試飲会において更に良化しており、どのワインも楽しめる味わいとなっていることも確認できました。2019年6月には入荷から1年半ほど寝かせたその際一番豊かな果実味を感じられたクーレ・ド・ソースはリリース致しましたが、他の2アイテムは一層の伸びしろに期待し更に寝かせておりました。今回はそのうちの最後に収穫されたメロディ・オン・スソルをリリースすることに致しました。約2年寝かせることで期待どおり休ませた甲斐がある、甘さや果実味、酸と全ての要素がバランスよく溶け込んだ味わいへと変化しております。

やや濃い黄色。新鮮なりんごやプラムに甘夏や早生みかん、黄色い柑橘のような果実香に白い花や若草、ディルのようなハーブ香が加わり爽やかさを加え、またテロワール由来の煙や鉱物的なニュアンスを僅かに感じます。抜栓直後はジュラのサヴァニャンかと想うような印象を受けますが、スワリングすると徐々に甘く華やかな香りが増していき、それに伴いシュナン・ブランらしい熟した果実味も膨らみます。ほどよい果実由来の甘さとともに柑橘のような酸が2層になってすっと口中に流れ込み、香りのような果実の風味がゆっくりと広がっていき旨味が残ります。熟した果実のニュアンスが酸や甘みなどと三位一体となり、全ての要素がまとまっている様子を感じることができます。アフターには白葡萄を頬張った時のような香りが抜け、フルーティーな印象と溢れるように広がった旨味が長く残ります。

●Le Fil rouge／2015（ル・フィル・ルージュ：グロロー、カベルネ・フラン）2019年10月リリース

【2017年11月入荷】

約2年倉庫で寝かせ今回のリリースとなります。入荷時は香りにフィーヌや黒系果実の力強いニュアンスを感じ、果実味もやや控えめな印象を受けました。約2年寝かせる間6、7回と試飲を重ねてきましたが、徐々にパワフルさは軽減されそれに反して果実味は膨らみ、果実のニュアンスは赤い果実の軽やかさをもつ味わいへと変化しています。

明るい中程度の赤色。熟したフランボワーズや赤すぐり、ザクロや苺などの酸を持つ赤い果実を想わせる香りに、小さな紫色の花の華やかさや白胡椒やクローヴなどのスパイシーな香りが加わります。仄かな甘さが赤い果実の印象とマッチしており、熟したザクロがプチッと弾けるようなジューシーな酸が感じられ、軽やかで負担のない飲み心地となっています。グロローらしい甘酸っぱい赤い果実のニュアンスが広がり、カベルネ・フラン由来のスパイス感やアフターに僅かに残る細かなタンニンがアクセントとなり、また、ワインの芯を構成しつつ着地はしっかりとしています。

2019-10-07 by epona