Jean-Christophe Garnier
●La Roche Bezigon/2018(ラ・ロッシュ・ベジゴン:シュナン・ブラン)2020年1月リリース
【2019年12月入荷】
例年に比べボリューム感や熟した果実のニュアンスが多く感じられます。ジャン・クリストフの話では意外なことに暑い年は南向きのロッシュは比較的軽いタッチになり、北向きのベジゴンはしっかりとした膨らみのある印象になるため、二つの区画を混ぜることでバランスをとっているそうです。仄かに濁りのある中程度の黄色。熟したカリンや洋梨、黄桃のコンポートなどの芳醇なフルーツの香りが立ち昇ります。円みのある口当たりで、フルーツポンチのような豊かな果実にグレープフルーツやレモンの柑橘香やスッキリとした酸が加わりバランスが良く、余韻には旨味と仄かな塩味が残ります。2区画を混ぜることでロッシュの複雑さや旨味、軽やかさ、ベジゴンのふくよかで芳醇な果実がほどよく融合し、馴染みやすいフルーティーさと複雑な様子、抑揚が感じられます。鼻腔には洋梨や桃のコンポートの香りが抜けていき、優しいフルーツの香りに包まれます。
●Rouchefert/2018(ロッシュフェール:シュナン・ブラン)2019年12月リリース
【2019年3月入荷】
●La Roche/2018(ラ・ロッシュ:シュナン・ブラン)2019年12月リリース【2019年6月入荷】
やや濃い麦藁色。白桃やマンゴー、淡いパイナップルや黄色の柑橘、ジャスミンやローズマリーなどの香りにテロワール由来の煙や鉱物的な香りが混ざります。ロッシュフェールに比べ果実は白や黄色の果実が混ざり合う印象で、旨味を引き出すようなキリッとした酸が感じられ膨よかさとシャープさが入り交じるような複雑な印象を受けます。柑橘を想わせるキレの良い酸と熟した白桃やプラムをかじった時のようなジュワ〜っとジュースが溢れるように果実味が広がり、アフターの仄かな苦味は黄色の柑橘の内皮のようで、ほどよい甘さと熟した果実味にアクセントをもたらし旨味感が残ります。芳醇な果実味とスッキリ感、旨味といった三拍子揃った味わいを楽しむことができます。タンクのみの使用でいきいきとした若さ溢れる果実味を十二分に楽しめるロッシュフェールと、太陽や土壌からの養分などを長年かけて吸収してきた樹齢約60年の葡萄で、樽を使用し果実味と奥行きを兼ね備えたラ・ロッシュとの違いを感じて頂けると思います。
●Les Tailles/2018(レ・タイユ:カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニョン)2019年12月リリース
【2019年6月入荷】
ガーネット色。ラズベリーソースやジャムのような凝縮感のある赤い果実の香りに、茎や葉、ハーブなどが思い浮かぶ仄かに青みがかった香りが加わり、果実だけではない妖艶な魅力を感じさせます。それは生花店や森、畑や果樹園などを想像させる様々な花や茎、葉などの華やかさや青みがかった香りが混ざり合い、どこか素朴さも感じさせながら香りだけでもまとまりの良さが伺えるほどです。口に含むとグレナデンを想わせる赤い果実の甘さや風味に酸が加わり、甘酸っぱい果実味豊かな味わいを引き出し、仄かなバニラ香が円さや柔らかさを与えています。ほどよい甘さが心地よくゆっくりと広がっていき、粒子の細かい緻密な果実味とその甘い香りや風味、そして仄かなハーブなど順を追って感じられ、細かなタンニンはブレを感じさせません。香り、甘さ、仄かな青み、酸味など様々な要素が最適なバランスで、品や奥行き、抑揚なども感じられこれまでのヴィンテージの中で一番の出来と言っても過言ではない仕上がりです。