Sébastien Gandubert – CLOSERIE DE BELLE POURE
*下記レ・オー・ボンヌ2アイテムですが、区画ごとに醸造し風味や味わいに違いが感じられた為、それぞれに分けて瓶詰めし蝋キャップの色で区別されています。
●Les Eaux Bonnes(黄色蝋キャップ)/2018(レ・オー・ボンヌ(黄色蝋キャップ):シュナン・ブラン)白 2021年1月リリース
【2020年3月入荷】
クロ・デ・マイユの区画の葡萄を使用し、2ヶ月間のマセラシオン。
淡い琥珀色。りんごやカリンのコンポート、梅酒や杏酒などの凝縮した果実の香りに柑橘香、仄かにドライハーブやドライフラワー、蜂蜜などの深みを感じさせる香りが混ざります。瑞々しく引っかかりのない飲み心地で、シュナン・ブラン由来の柔らかく優しい果実味と蜂蜜やドライハーブなど複雑な様子を感じさせながら、全体に一体感が感じられ口の中で広域に広がっていきます。深みや複雑な要素や味わいは充分に引き出されておりますが重くのしかかるような印象はなく、最後に僅かながらタンニンが舌に残り、着地点が明確でメリハリを感じます。時間の経過に伴い甘いフルーツの風味やコク、奥深さがより一層増していきます。抜栓2日目には、ドライアプリコットのような甘酸っぱいニュアンスを最初に感じ、キュッと引き締まる印象を受けます。その後ドライハーブや蜂蜜、カリンや杏、梅のシロップのような風味と相まって、甘さや酸も変わらず調和が良く、軽やかなタッチで負担がない飲み心地の中にも奥行きや余韻の長さ、充実した味わいをお楽しみ頂けます。
●Les Eaux Bonnes(グレー蝋キャップ)/2018(レ・オー・ボンヌ(グレー蝋キャップ):シュナン・ブラン)白 2021年1月リリース
【2020年7月入荷】
クロ・デ・バレンヌの区画の葡萄を使用し、2ヶ月間のマセラシオン。
薄濁りの黄みがかった琥珀色。黄桃やかりんのコンポート、ドライアプリコット、ピンクグレープフルーツなどの果実香、それに加え紅茶やレモンバーベナなどの華やかさや爽やかな香りが混ざります。クロ・デ・マイユの区画(黄色の蝋キャップ)は蜂蜜などを想わせる深い風味が強く感じられるのに対して、このクロ・デ・バレンヌの区画は熟した果実味、そして柑橘やハーブを感じさせる風味が強くドライベルモットのような爽やかな印象を受けます。クロ・デ・マイユ同様にマセラシオン由来の風味が丁度良く引き出され、瑞々しささえ感じる穏やかな口当たりで、様々な果実が混ざり合うフルーティーな様子に紅茶や爽快なハーブ、柑橘の砂糖菓子、柑橘の果皮や内皮のほろ苦いビターな風味と相まって豊かな風味が口いっぱいに広がり、複雑な風味は余韻にも長く続きながらすっきりとした飲み心地です。2日目には果実の風味や深みが更に強まり、マセラシオン由来の複雑さや奥行きが一層引き出され豊かな風味を感じて頂けます。
●La Poule/2017(ラ・プーレ:カベルネ・フラン)赤 2021年1月リリース
【2020年3月入荷】
深い赤色。仄かにカシスやプルーンなどのドライフルーツのような凝縮した果実に赤い果実の果皮やフランボワーズソースの香りなどが混ざり、たばこやほんのりと青みがかった香りも感じられます。口に含むと重すぎることのない負担のない軽やかな飲み口ですが、赤い果実のような引き締まる澄んだ酸と凝縮した粒子の細かい緻密な果実味が融け合い、味わいの充実感はしっかりと感じられ、舌には葡萄の果皮を噛んだ時のようなタンニンが若干残ります。仄かに垣間見える青みがかった風味が妖艶な雰囲気をもたらし、それに根菜や土を想わせる風味が僅かに感じられ素朴な印象も加わり、女性のような柔らかさやしなやかな雰囲気を持つ果実味豊かなスタイルです。
●Le Coq/2017(ル・コック:カベルネ・ソーヴィニョン)赤 2021年1月リリース
【2020年3月入荷】
深いガーネット色。今回ご案内の赤ワインの中では、一番しっかりとし重心はやや低めな仕上がりですが、カベルネ・ソーヴィニョン100%にしてはミディアムで果実感を感じられるスタイルです。カシスリキュールなど凝縮感のある香りに仄かに青みがかったハーブを想わせる香りが感じられます。品種のイメージに比べ軽やかで瑞々しささえ感じる口当たりで、甘い風味は控えめながら凝縮した果実味は豊かで緻密なエキスを感じます。落ち着きがあり背筋のピンとしたやや骨格のある印象で、黒系果実とビターカカオを想わせる風味が混ざり合うような味わいは充足感があります。甘酸っぱい赤い果実の印象から黒系の凝縮した風味、そしてビターカカオの風味や細かなタンニンが順を追って感じられ口中でも表情の移り変わりを楽しむことができます。中心にブレのない芯がしっかりした様子が感じられ、その強さの中にも品の良さやたおやかな雰囲気が感じられます。この先の熟成で旨味やエレガントな雰囲気が引き出され、複雑さを帯びた印象へと変化していくことでしょう。
2021-01-06 by
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