Yahou Fatal – l’Egrappille

*3アイテム全て暑いヴィンテージなども影響し入荷当時は凝縮感があり、パワフルで硬さのある印象を受けました。約4〜5年倉庫で休ませたことで、繊細でしなやかな印象、複雑性のある味わいが引き出されており、今回のリリースとなりました。

●Fait Main/2015/L’Egrappille(フェ・マン/レグラッピーユ:ガメイ・ドーヴェルニュ)赤 2022年3月リリース

【2017年1月入荷】
シスト土壌の樹齢約115年の葡萄。1ヶ月のマセラシオンカルボニック。プレスの後バリックで発酵・熟成。
仄かにオレンジがかった淡いガーネット色。赤い果実のドライフルーツやアップルシナモン、バラなどのドライフラワーを想わせる香りが感じられます。2015年は暑い年だったことなどが影響し、入荷当時は色合いも濃くパワフルな印象を受けました。現在は、色合いや香りからも見て取れるように、熟成により澄んだ様子や繊細な飲み心地が引き出され、深みを伴う上品なスタイルへと変化しています。約7年の時を経ていながらも枯れた熟成感ではなく、ピュアな赤い果実の風味を留めながら、ドライフルーツなどの凝縮した風味、ドライフラワーやスパイスなどの風味がほどよく溶け込み深みを与え、清らかで伸びのある飲み心地で体へと沁み込みます。果実の風味に様々な要素が加わり複雑性や奥行きを与え、それでいて研ぎ澄まされるように余分なものが排除され、エレガントな雰囲気を感じさせます。
●109/2015/L’Egrappille(サンヌフ/レグラッピーユ:ガメイ・ドーヴェルニュ)赤 2022年3月リリース
【2017年1月入荷】
玄武岩土壌の樹齢約90年の葡萄。手除梗した葡萄を3/4、全房の葡萄を1/4使用し、6週間のマセラシオン。プレスの後バリックで発酵・熟成。
仄かにオレンジがかったルビー色。苺やフランボワーズ、クランベリーなどの赤い果実のドライフルーツの香りに、バラなどの生花やドライフラワーが混ざり合うようなフローラル系の華やかさ、クローブやナツメグを想わせるスパイス香がアクセントのように加わります。以前はフィーヌのように黒系果実の果皮のような風味や力強く硬さのある果実味が感じられましたが、熟成によりしなやかで赤い果実の可愛らしい風味や深みが感じられる味わいへと変化しています。Fait mainに比べ充実した果実の様子や甘みが多く感じられ、果汁のようなシズル感のある飲み心地で、優しい甘さが舌を包み込むようにしっとりと広がり、仄かにダシのような旨味を伴う赤い果実の風味が口中に膨らみます。鰹ダシのような旨味やスパイスなどが加わることで全体に複雑さと深みを与え、アフターに進むにつれやや重心の低い落ち着いた印象を感じさせます。この先の熟成も期待が湧く緻密さを持ち、更に繊細でエレガントな味わいへと変化していくことでしょう。
●Ca/2016/Yahou Fatal(サ/ヤオ・ファタル:ガメイ・ボージョレ)赤 2022年3月リリース
【2018年1月入荷】
粘土石灰質土壌の樹齢約55年の葡萄。手除梗した葡萄を1/2、全房の葡萄を1/2使用し、5ヶ月間マセラシオン。プレスの後8ヶ月間バリックで発酵・熟成。
ややオレンジがかった淡い赤色。グレナデンなど赤い果実のリキュールを想わせるエキスの詰まった果実香、加えてドライフルーツやポプリ、鰹ダシのような香りが感じられます。熟成により瑞々しささえ感じさせる流れるような雑味のない飲み心地やほどよい複雑な風味が引き出されています。アタックに感じられる赤い果実の風味はピュアでストレートに伝わり、伸びやかに先へと導いてくれるような酸が小気味よく全体のバランスを整えます。マコンのピノ・ノワールのような赤い果実の緻密なエキス感が広がり、鰹ダシのような風味がじんわりと溢れ、少しダークなオーヴェルニュらしい旨味感が加わります。明るさの残る赤い果実味に落ち着いた深みが調和よく加わる味わいをお楽しみ頂けます。
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