Jean-Christophe Garnier

●13 vents/2020(トレーズ・ヴォン:シュナン・ブラン)白 2022年4月リリース

【2021年12月入荷】
ダイレクトプレスした後、ファイバータンクで発酵・フードルで熟成。
僅かに濁りのある中程度の黄色。熟したプラム、桃やりんごのコンポート、洋梨など豊かな香りを放つ果実香に、文旦や日向夏などの和柑橘、青りんご、柑橘の葉、フレッシュハーブを想わせる爽やかな印象が加わり、火打石などの鉱物的な香りも仄かに感じられます。スワリングすると桃などの甘い香りや柑橘のピール菓子を想わせる香りも引き立ちます。青空の下花々が咲き誇る草原のようなイメージが目に浮かぶようで、口に含むと舌先を一瞬かすめるようなピリッとしたガスがあたり、溌剌としたフレッシュ感を掻き立てます。優しい果実の甘やかさが舌を包み馴染みやすい口当たりで、芳醇な果実味に和柑橘の風味や清々しい酸が溶け込みながら大きく膨らみ、アフターにかけて柑橘の内皮や果皮のほろ苦さ、塩味などがアクセントのように現れます。抜栓2日目にはやや酸化的な様子が見受けられ、豊かな果実の風味が幾分控えめに感じられますので、抜栓当日にお召し上がり頂く方が旨味感を伴うフルーティーな味わいをたっぷりとお楽しみ頂けると思います。
●La Roche Bezigon/2020(ラ・ロッシュ・ベジゴン:シュナン・ブラン)白 2022年4月リリース
【2022年3月入荷】
ダイレクトプレスした後、フードルで発酵・熟成。
やや淡い黄色。黄桃や黄プラム、アプリコット、マンゴーなど黄色の果肉を持つ香り高い果実に、晩柑や文旦のような和柑橘が混ざり合う果実の香り、加えて白い花の華やかさや仄かにミルクティーを想わせる円みのある柔らかな印象が感じられます。口に含むと芳醇で充実感を感じさせる黄桃やマンゴーなど黄色の果肉から果汁が溢れるようなジューシーな様子に、柑橘をギュッと搾った瑞々しさや爽快感が加わり、スッキリとした飲み心地で体へと馴染んでいきます。若々しくフルーティーな果実味に黄桃の核のような芳ばしいニュアンスが抑揚や奥行きを与え、小気味良い酸とともにバランス良く広がります。じんわりと溶け出すように旨味が感じられ舌に残る僅かな塩味が果実の甘やかな風味を引き立てつつ、締まりのあるアフターへと導き、魅力的な果実味と旨味が解け合う優しい辛口の仕上がりです。
●Les Nouettes/2021(レ・ヌエット:グロロー、ピノ・ドニス)赤 2022年4月リリース
【2022年3月入荷】
2週間のマセラシオンカルボニック。ファイバータンクで発酵・熟成。
淡い赤色。フランボワーズやクランベリーなどの赤い果実、赤や紫の花々、お香などの華やかな様子に、カルダモンや白胡椒などのスパイス、ヴェルガモットや日向夏などの果皮から香りの粒が弾けるような爽やかな印象が加わります。瑞々しく清らかな口当たりでスムーズに流れ込み、ほんのりと優しい甘みを伴う赤い果実の風味が口中に大きく広がります。クランベリーなど赤い果実の果汁を想わせる可憐で溌剌とした風味を先へと誘うような伸びやかな酸が支え、清涼感を感じさせるスパイスや柑橘のニュアンスがアクセントとなり、単調になることなく弾むようなリズムを与えます。ピュアな果実味と喉を潤すように体へ沁みこむ負担のない飲み心地は、麗らかな日中に木漏れ日を浴びながら楽しみたくなるようなライトな仕上がりです。
●Gamay Aunis/2021(ガメイ・オニス:ガメイ、ピノ・ドニス)赤 2022年4月リリース
【2022年3月入荷】
2週間のマセラシオンカルボニック。ファイバータンクで発酵・熟成。
仄かにオレンジがかった淡い赤色。ドライ苺やフランボワーズ、グリオットチェリーのコンポートなどのやや凝縮した果実に、朝露を弾くような完熟した葉付きの苺などの香りが混ざり合います。加えて、ナツメグやクローブ、黒胡椒などのスパイス香や腐葉土などの香りが感じられ、素朴さの中に際立つ美しさを想わせる華やかさが伺えます。赤いベリー系果実を頬張り果汁が溢れ出すように瑞々しく、澄んだ甘酸っぱ果実味にスパイスの風味が溶け込みながら大きく膨らみます。時折風に乗って薫ってくるようにハーブやピンクグレープフルーツのを想わせる爽やかな風味が小気味良いアクセントを与え、軽やかな中に抑揚を感じさせます。軽快で溌剌としたLes Nouettesに比べ、ライトタッチでありながら赤い果実の風味は甘やかでやや充実感があり、オリエンタルなスパイスの印象が落ち着きと深みを感じさせます。
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