Samuel Boulay

ダイレクトプレス。タンクで発酵後、樽で熟成。

赤みがかったやや淡いオレンジ色。苺やフランボワーズ、いちじく、デーツといったドライフルーツ、グレナデンシロップ、アップルパイのりんご、いちじくの赤ワイン煮などを想わせる凝縮感のある甘やかな果実に、バラのドライフラワー、ドライハーブ、ナツメグなどのスパイスのニュアンスが重なり、複雑で奥行きのある香りが漂います。繊細なライトタッチで、グレナデンシロップのような甘酸っぱい果実味とドライフルーツのコク深い風味が絡み合い、口中へとしなやかに広がります。次第に、充実感のある風味にスパイスやドライフラワーなどの要素が折り重なり、複雑味を帯びた奥行きのある余韻が長く続きます。わずかに揮発酸が喉に触れますが、甘やかな果実味と熟成由来の風味に溶け込み、それがあることで味わいを引き締めメリハリが感じられます。醸造から約9年を経た今も、どこかチャーミングで愛らしい果実味を残しつつ、深みと落ち着きを湛えた仕上がりです。

●Baltringue／2018（バルトリング2018年：シラー）赤　2025年11月リリース