Jean Yves Peron
●Pierra Menta/2022(ピエラ・メンタ2022年:グランジェ)白 2025年12月リリース
【2025年10月入荷】
シスト土壌。マセラシオンカルボニック14日間。300Lの樽で12ヶ月の発酵と熟成。
黄みがかった黄金色。ベルガモットなどの青い柑橘や黄柑橘、プラムや黄桃といった黄色果肉の果実に、芳醇な蜂蜜やりんごの蜜、柑橘ピールや内皮のほろ苦さ、フレッシュハーブやドライハーブが調和する、複雑で奥行きのある香りが漂います。角の取れた柔らかな口当たりで、しなやかに喉へと流れ込みます。柑橘を皮ごと搾ったような爽やかさと、熟したプラムから滴り落ちる果汁のようなシズル感が寄り添い、たっぷりとした旨みが重なり合って、ほどよくリッチで緻密な味わいが口中を満たします。香り高く爽やかな柑橘と芳醇な蜜の風味、ハーブのニュアンスが溶け込みコク深く充実感があり、アフターにかけて仄かにミルクティーを想わせるまろやかさが現れます。優しい印象の中に複雑性や気品が感じられ、長く尾を引く高貴な余韻をお楽しみいただけます。
*Gringet (グランジェ )について
知る人ぞ知るサヴォワ地方の土着品種で、大半はAyse村で栽培されています。
現在の総栽培面積は約22ha、その半分近くの10haを今は亡きドミニク・べリュアール氏が所有していました。
かつてグランジェは300haほど栽培されており、べリュアール家も代々35ha所有していたようです。
1970年代から80年代にかけてのグランジェは単位収穫量150〜200 hl/haと大量生産されるのが一般的で、そのため全く個性のかけらもない、美味しくないワインだけが市場に流通していました。ドミニク・べリュアール氏は優れたテロワールの区画だけを残して畑を売却、有機栽培に切り換え適正な収穫量に抑えた結果、アロマティックでありながら、品が良く伸びのある酸と豊かで複雑な果実感、全体的に硬質感を身にまとっている独特な個性のワインを生み出すことに成功しました。
ジャン・イヴ・ペロンがグランジェに興味を抱いた契機も、まさにドミニク氏が造ったワインを飲んだことがきっかけであり、優れたグランジェは一度でも飲んだ人にとって忘れ難いもので、実に素晴らしい品種だと思います。
ジャン・イヴは、ドミニク氏のセレクション マサルで年月をかけてグランジェの穂木を育て、2017年から自分の畑へ植樹を開始しました。
その場所は標高400mから550mに位置するBarrieux、Cotillon des Dames及びGrande Journeeと同じエリアの3区画で、真南向きと南東向きの日当たりの良い、乾燥する傾向のある土壌に限定しています。


●Vers la Maison Rouge/2022(ヴァー・ラ・メゾン・ルージュ2022年:モンドゥーズ)赤 2025年12月リリース
【2024年10月入荷】
シスト・石灰質土壌。ダイレクトプレス。225Lの樽で12ヶ月間の発酵と熟成。
淡いサーモンピンクの色合い。プラムやフランボワーズ、さくらんぼ、りんご、ザクロなどの赤い果皮を持つ果実に、グレナデンシロップを想わせる凝縮感、バラや紫の花々の気品を感じさせる華やかな香りが混ざり合います。繊細なライトタッチで清らかに沁み渡り、軽やかでありながら緻密な赤い果実の風味に、ザクロやフランボワーズを想わせる張りのある酸が調和し、全体を引き締めながら、伸びやかに先へと誘います。口中に長く留まる果実味に、バラなどの上品で艶やかなフローラル、じんわりと溢れ出る旨みが重なり、妖艶さや複雑性がさらに際立ちます。若々しく可憐な佇まいと、凛とした骨格や落ち着いた印象を兼ね備えた、魅力に満ちた仕上がりです。


●La Bottiere MAG/1500ml/2022(ラ・ボティエール・マグナム2022年:ジャケール)白 2025年12月リリース
【2024年10月入荷】
シスト土壌。全房で14日間マセラシオン。フードルで12ヶ月間の発酵と熟成。
やや濃い黄色。黄色い柑橘、ピールや内皮の爽やかなほろ苦さに、フヌイユやフレッシュハーブ、ドライハーブ、黄色の花のドライフラワー、蜂蜜、煙、鉱物的なニュアンスが加わります。口に含むとキリッとした張りのある酸が印象的で、舌先をかすめるガスがフレッシュ感を感じさせながら、柑橘の清涼感のある果実味が伸びやかに口中へと広がります。開いていくにつれて、清涼感のある果実味に仄かな塩味、柑橘ピールや内皮のほろ苦さが抑揚をつけ、甘やかさや充実感、旨み、深みが増していき、それに伴い味わいの一体感がさらに強まります。
2022年はサヴォワは全体的に降雨量が著しく少なく葡萄がストレスを受けながら育ったことが原因で、普段よりもやや酸化に弱い仕上がりになっております。また、元々タンニンが少なく細身なスタイルのため、抜栓3日目ほどになると、やや果実のバランスが崩れ、豆のニュアンスが現れるため、抜栓当日のうちにお召し上がりいただくことで、特に果実味と旨味の調和した味わいをお楽しみいただけます。


2025-12-08 by
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