Sébastien Dervieux – Les Vignes de Babass

●Brutal/NV16&17(ブリュタル:シュナン・ブラン)白 2020年8月リリース

【2020年5月入荷】王冠
ナヴィーヌ2016年と2017年は、それぞれ糖分が残った状態で発酵が止まっていたため2018年にブレンドし再発酵させ、22g程度の残糖で瓶詰めして、2019年10月末にデゴルジュマン。ブレンドのためナヴィーヌではなくブリュタルを名乗っています。王冠で留めていますが、ほぼガスは感じられず、ピリピリと舌にあたる程度です。
薄濁りのやや濃い黄色。りんごのコンポートや蜜、ドライにしたパイナップルやマンゴー、アプリコットなどを想わせる詰まった果実の香り。有機のりんごジュースやコンポートのような凝縮感のある果実の甘い風味がほどよくアタックに感じられ、完熟のアプリコットや洋梨のコンフィチュール、ミラベルなど凝縮感のあるフルーツを想わせるしっかりとした味わいながらも、新鮮な果実のニュアンスや酸も感じられ充実感と軽やかさを兼ね備えた印象です。また僅かに酸化的な擦りりんごのような風味が垣間見え、奥行きを与え抑揚を感じさせます。酸味のあるカンパーニュのようなパンに甘さ控えめのりんごや洋梨のコンフィチュールを乗せたり、完熟した果実の甘みに僅かに蜂蜜を垂らしたようなイメージが浮かびます。
●Navine/2018(ナヴィーヌ:シュナン・ブラン)白 2020年8月リリース
【2020年5月入荷】コルク&王冠
例年に比べ発酵に時間がかったヴィンテージで、2018年12月には5g残糖がある状況でした。時間はかかりましたがその後発酵は進み、例年にくらべ蜜のような風味が多く味わい深いスタイルです。こちらはコルク打栓の後再発酵防止のため王冠で留めてありますが、ブリュタル同様にガスは舌先を刺激する程度感じられます。
濃い黄色。りんごのコンポートやりんごの蜜、蜂蜜や僅かなカラメル香が感じられ深く凝縮感のある果実を想像します。僅かながら残糖を想わせるような甘みが感じられますが、それは熟した果実や煮詰めた果実のような凝縮感由来の風味の甘さで、それらがコクや深みを引き出すような印象を受けます。ブリュタルに比べやや重心が低めでより味わい深く、ゆっくりと体に溶け込んでいくような自然な甘い風味と新鮮なりんごから果汁が弾けるような酸が混ざり、擦りりんごや蜂蜜などの風味に若干ビターカラメルやミルキーな風味、塩味などが感じられ、元気な雰囲気の中にも複雑さや奥行きを感じ、それらの風味が奥深さをより引き立てます。
●Groll’n Roll/2019(グロルン・ロール:グロロー)赤 2020年8月リリース
【2020年5月入荷】
明るい赤紫色。搾りたての葡萄果汁や酸をもつブルーベリーなどを頬張った時のようなたっぷりとした果実香に小さな紫の花や僅かにスパイシーな香りが混ざります。瑞々しい口当たりで溌剌とした元気な果実感が口中に大きく広がり、ジューシーで若々しく明るい果実味は馴染みやすさがありながら浮ついておらず、ワインとして地に足のついた印象を受けます。野山の景観が目に浮かぶような森のような香りや土、仄かに混ざるナツメグや胡椒のスパイス香、太陽を浴びてよく熟したことを想像させるような黒葡萄の果皮などの強い風味、その中にはとても瑞々しく喉を潤してくれるような果汁感がギュッと詰まっているようなイメージで、スムーズなのど越しで流れていき、口中には豊かな果実の風味が長く留まります。今にも走り出しそうな若さ溢れる果実の中にワインらしい落ち着きを兼ね備えた仕上がりです。
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