Anders Frederik Steen

●Je suis comme ca et alors?/2017(ジュ・スィ・コム・サ・エ・アロー?2017年:グルナッシュ・ノワール)白 2022年5月リリース

【2018年11月入荷】王冠
ル・マゼルの葡萄。ダイレクトプレスで最初に搾汁される白い果汁の部分のみを使用し、グラスファイバータンクで発酵・熟成。2018年3月に澱引き。2018年8月瓶詰め。王冠で打栓しておりますが入荷当時にガスは殆ど感じられず、甘さと揮発酸がそれぞれ強く感じられる状況でバランスが取れておりませんでした。保管中の3年5ヶ月の間に瓶内発酵がゆっくりと進んだことで、軽快感を掻き立てる細かなガスがはっきりと感じられるバランスの良い味わいになりました。
ややオレンジがかった薄濁りの濃い黄色。黄柑橘や白い花などの香りを想わせ、醸造から4年近く経過しているのに未だフレッシュな印象を感じさせます。口に含むとピリピリと微細なガスが舌を刺激し、柑橘の粒から果汁や香りが弾けるように溌剌とした様子で広がり、仄かにヴェルヴェンヌやレモングラスなどのハーブのニュアンスが感じられ更に爽やかさを引き立てます。揮発酸は感じられますが、じんわりとまろやかな旨味が溢れ、果実の風味や優しい甘さと絡み合い、突出することなく調和が取れており嫌みがありません。暑くなるこれからの時期にピッタリの旨味の詰まった柑橘系の甘酸っぱい味わいは、よく冷やしてお楽しみ頂くことをお勧めします。
●I hope everyday/2021(アイ・ホープ・エヴリディ2021年:シラー45%、メルロー30%、カベルネ・ソーヴィニョン20%、グルナッシュ5%)ロゼ微発泡 2022年5月リリース
【2022年4月入荷】王冠
ル・マゼルの葡萄。ダイレクトプレスした後、ファイバータンクで発酵。澱引きせずに残糖のある状態で瓶詰め。2021年12月デゴルジュマン。
仄かにオレンジがかった淡い赤色。苺やりんご飴、さくらんぼのコンポートやグレナデン、熟した赤いプラムなど赤い果皮を持つ果実香が感じられ、香りからも若々しく愛らしい果実のイメージが湧き上がります。微細なガスが軽快感や溌剌とした明るい印象を掻き立てながら、フルーティーな赤い果実の風味をふっくらと口中に膨らませます。可憐で豊かな果実味を調和良く酸が支え飲み心地が良く、これからの時期に屋外で日中から楽しみたくなるような晴れやかでフルーツ感に溢れたやや辛口の微発泡です。
●New Peach on the Block/2020(ニュー・ピーチ・オン・ザ・ブロック2020年:シラー40%、メルロー30%、カベルネ・ソーヴィニョン、グルナッシュ、サンソーで30%)ロゼ 2022年5月リリース
【2021年8月入荷】王冠
ダイレクトプレスした後、ファイバータンクで発酵・熟成。当初はペティヤンナチュレルを作る予定が、タンク内での発酵が想像以上に早く進んだため、そのまま2020年10月末に瓶詰めしてロゼのスティルワインに変更したもの。
仄かにオレンジがかったやや淡い赤色。さくらんぼやりんご、苺のコンポート、熟した赤いプラムなどの香りを想わせ、やや凝縮感のあるフルーティーな様子、加えてバラのような華やかさが伺えます。ごく僅かに舌先をかすめるクリスプ感がありますが若々しい印象を与える程度で、アタックの優しい甘みが馴染み易さを感じさせながら、小気味良い酸とともに赤い果皮を持つ果実の風味が大きく膨らみます。可憐で充実感のある果実味がたっぷりと広がり、鼻腔に抜けるりんごや苺などのコンポートが混ざり合うようなチャーミングな香りが、豊かな果実感を長く残します。
●RdT/2019(アール・ディー・ティー2019年:グルナッシュ・ブラン、シラー、ミュスカブラン、ミュスカノワール、シャスラなど)赤
2022年5月リリース
【2021年8月入荷】
ダイレクトプレスしたシラーのジュースに除梗したグルナッシュ・ブランとミュスカ・ブラン、ミュスカ・ノワール、シャスラなどのRaisins de Table(食用葡萄)を加えて6週間マセラシオン。その後、垂直プレス機で3日かけてゆっくりとプレス。澱引きせずに225Lの樽で発酵・熟成。2020年8月瓶詰め。
淡いガーネットの色合い。ドライ苺やレーズンなど小さな赤や黒系果実のドライフルーツを想わせるやや凝縮感のある果実香に、ドライフラワーや黒糖などの香りが加わり深みと複雑性が伺えます。口に含むと充実感のある香りからのイメージに比べ、ミュスカやグルナッシュ・ブランのアロマティックな芳香やフルーティーな様子を感じさせ、瑞々しく清らかな飲み心地で熟成したグルナッシュのような繊細な印象で伸びやかに広がります。ドライフルーツのようなほんのりと甘やかな風味に様々な要素が絡み合い複雑さと奥行きが感じられます。タッチの軽やかな様子や果汁感を想わせるフレッシュ感、アフターにかけて奥深い風味へと変化し、1つのワインで様々な印象を楽しめるミディアムスタイルです。
●I prefer to be where I am/2018(アイ・プレファー・トゥー・ビー・ウェアー・アイ・アム2018年:カベルネ・ソーヴィニョン)赤
2022年5月リリース
【2020年11月入荷】
垂直プレス機で3日かけてゆっくりとダイレクトプレスした後、古い225Lの樽で2年近く発酵・熟成。澱引きせずに2020年7月瓶詰め。
淡いレンガ色。ドライいちじくや焼きりんご、レーズンなどやや充実感のある果実の香り、加えてシナモンやナツメグなどのスパイス、メープルシロップやビターカラメル、バラのようなドライフラワーなどの華やかな香りが溶け込み複雑な印象を受けます。深みのある香りからのイメージに比べ、タッチはとても軽やかで瑞々しささえ感じさせ、ドライフルーツを想わせる仄かな甘みや風味が優しく舌先を包み込みながら広がります。やや喉に揮発酸があたりますが、ドライルーツの甘やかな風味やオードヴィーのような深みを感じさせる風味と解け合い突出した印象を受けず、バラのような華やかな香りが鼻腔に抜けアフターに上品な雰囲気を残します。ロゼのような軽やかな飲み心地でありながら、様々な要素が重なり複雑性を帯びた奥行きのある風味が感じられるミディアムな仕上がりです。
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