Fabrice Dodane – Domaine de Saint Pierre

●Arbois Blanc Les Brulees/2017(アルボワ・ブラン・レ・ブリュレ:シャルドネ)白 2020年4月リリース

【2019年8月入荷】
やや濃い黄色。洋梨やりんごの蜜、白いメロン、白い花やオレンジの花の蜂蜜などの果実香や柔らかな芳醇な香りに、テロワール由来の鉱物的な香りが僅かに混ざります。辛口でありながらフルーツや花の蜜など芳醇で甘みを感じさせる風味があり、ふっくらとした円みのある口当たりです。温度が高いと風味はより豊かに放たれますが、ボリューム感は温度が低い時よりも強く感じられます。そのため、外気温が高くなる季節にスッキリとしたい場合は若干冷やして頂ければ軽快な印象が引き出されます。基本的に樽熟成は1年間ですが、ブリュレ2017年、オートルモン2017年のヴォルテックス入荷分は2年間樽熟成しております。それにより安定感が増しまろやかで柔らかく、また、澱との接触期間も長いことから液中に溶け込む旨味をより多く感じられます。グラニュー糖を少し焦がしたようなブリュレらしい仄かな芳ばしさと完熟りんごや洋梨のような果実、それに文旦やはっさくのような柑橘の風味がアクセントとなり軽さやスッキリとした印象を与え様々な風味が幾重にも重なる味わいです。しっとりと口中に広がる落ち着いた味わいと果実味、旨味が感じられ、その上をすっと流れるような酸がありアフターに切れの良さを感じさせ、豊かな風味は長く残ります。
●Arbois Blanc Les dalles en amphore/2018(アルボワ・ブラン・レ・ダレ・オン・アンフォール:ムロン)白 2020年4月リリース
【2019年8月入荷】
ステンレスタンクで発酵後、Jarres(ジャー)と呼ばれる、磁器製のアンフォラのような形をした1000Lの容器で12ヶ月熟成。
薄濁りの中黄色。果汁が溢れるような白桃や淡いパイナップルなどを想わせる果実香にグレープフルーツなどの柑橘、そのピールや内皮のほろ苦さ、セルフィーユのような軽いフレッシュハーブの香りが加わります。アルコール14%と若干厚みがありますが酸も兼ね備えており、柑橘や桃などの風味とバランスが良く重たさは感じられません。ブリュレやオートルモンの2つに比べ若々しく溌剌としピュアでフルーティーな印象が強く、ほんのりと舌を包み込むような甘みを伴うアタックで果実味と柔らかさが広がり、馴染みやすい味わいです。Jarresで熟成させることで旨味を纏いながらゆっくりと時間が流れ、樽熟成よりも果実味の多いスタイルに仕上がります。ジューシーな桃やプラム、それに柑橘のスッキリした風味と酸が爽快感や瑞々しさを与え、また、仄かに感じられる芳ばしい風味がコクを感じさせます。
●Arbois Blanc Autrement/2017(アルボワ・ブラン・オートルモン:サヴァニャン)白 2020年4月リリース
【2019年8月入荷】
濃い黄色。早生みかんや柑橘の木に実がなっているようなイメージが湧く小気味良い香りが感じられます。円く角のとれた張りのある酸、じんわりと溢れ出てくるような旨味、樽由来のホクホクとした栗のような風味やシュクレフィレ(糸飴)の芳ばしさが僅かに混ざり、果実味だけではない複雑さを醸し出しています。球体を想像させるような、膨らむ果実、深みを伴う味わいや旨味、そしてワインの輪郭を司る酸など様々な要素がバランス良く感じられます。それらがゆっくりと口中に広がっていき、熟した果実の風味や甘みなどに木々の青々しい葉、柑橘香など爽やかな抑揚をもたらしながら体へと沁み込んでいきます。みかんや桃の缶詰のようなノスタルジックな香りが仄かに鼻腔をくすぐり、アフターには仄かにミルキーなニュアンスとコクや旨味感が長く残ります。ブリュレ同様に2年間樽熟成したことで負担のない飲み心地で果実のフレッシュ感も残しながらしっかりとした主張や奥行きが感じられます。
●Arbois Rouge petit Curoulet/2018(アルボワ・ルージュ・ル・プティ・クルーレ:プールサール)赤 2020年4月リリース
【2019年8月入荷】
仄かに濁りのある中程度の赤色。野山を歩きながら頬張るような熟した野苺など葉付き赤い果実主体に、グレナデンなど凝縮した赤い果実の風味もほどよく混ざります。また、バラやお香、スパイシーな香りなども感じられ複雑な要素が加わります。口中では熟した赤い果実の風味とそれに似た甘みが口当たりの良さを感じさせ、赤すぐりやザクロがプチッと弾けるような酸が軽快で瑞々しい飲み心地へと導き水のように負担のなくスムーズに流れていきます。アタックにはもぎたての若々しい果実のエキス感が元気な印象を与え、野山に自生する赤い果実のジューシーな果汁のように瑞々しさとチャーミングな甘酸っぱさがあとを引き、アフターにかけてバラやお香の香りはエレガントな様子を、そして僅かに感じられるシナモンや八角などのスパイス香がオリエンタルな雰囲気をほどよく感じさせます。
by
関連記事