Patrick Desplats
●Vent y Tourne/2017(ヴォン・イ・トゥルヌ:ガメイ、ピノ・ドニス、カベルネ・ソーヴィニョン、シュナン・ブラン、ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ)赤 2020年12月リリース
【2019年1月入荷】
黒ブドウと白ブドウを半分ずつ用いています。まずガメイ、ピノ・ドニス、カベルネ・ソーヴィニョンを24時間マセラシオン。その後、シュナン・ブラン、ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネと合わせてプレス、ジュースが白い前半の部分をエポナ2017に、後半の部分を赤ワイン用にして搾りかすと一緒に発酵させたものがこのワインです。
ややオレンジがかったガーネット色。グレナデンやソフトドライ苺などを想わせる赤い果実の凝縮した香りに土や牛蒡のような根菜をイメージさせる香りが感じられます。2017年は霜の影響で収穫量が少なく、良く熟して1粒1粒が凝縮し比較的タンニンのあるヴィンテージのため、入荷当時はやや硬くてタンニンのしっかりとした印象を受けました。約11ヶ月経過した現在は、しなやかな口当たりと水々しさや軽やかさが引き出され、充実した赤い果実の風味や甘みが多く感じられるようになりました。白ぶどうが入っていることから甘酸っぱい軽めのタッチで、全体を張りのある酸が輪郭を作り、その中にジューシーな印象とギュッとエネルギーの詰まったグレナデンを想わせる赤い果実の緻密なエキスが詰め込まれているようで、それが弾けて口中に大きく広がります。アフターにかけて土や根菜のような温かみと素朴さを感じさせる印象に加えて、ビターカカオや良く熟した葡萄の果皮をかじったようなタンニンがやや残り、豊かな果実味の中に重心の低さとしっかりと定まったブレのない着地点が現れます。現在果実味には可愛らしさがありますが、この先の熟成でより軽やかさや妖艶な雰囲気が引き出され、タンニンもより滑らかに感じられるようになることでしょう。
2020-12-15 by
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