Michel Guignier

●Mystere de Rosee/2023(ミステール・ド・ロゼ2023年:ガメイ)ロゼ 2025年2月リリース

【2025年1月入荷】
全房で8時間マセラシオン。ステンレスタンクで7ヶ月間の発酵と熟成。
やや淡い赤色。グレナデンシロップやクランベリージュース、葉付きの野苺や赤いプラムなどの甘やかさは控えめながら香り豊かな赤い果実に、小さな赤い野バラ、ナツメグなどのスパイス、土などのニュアンスが加わります。色合いや香りからも伺えるように、ロゼというよりは軽やかな赤ワインといった印象を受けます。瑞々しくて喉を潤すような飲み心地、それでいて口中に大きく膨らむ風味は、赤い果実のリキュールなどを想わせる緻密さと、りんご飴のような甘酸っぱさが絡み合い、ほどよい充実感が感じられます。アフターにかけてピュアで可愛らしい果実味や清らかな様子に、じんわりと広がる旨味が溶け込み、さらに、スパイスなどの風味が深みを与え、少しトーンの落ち着いた雰囲気が感じられます。抜栓初日から2日目程度が、華やぎのある明るく溌剌とした果実味をバランス良くお楽しみいただけると思います。
●Oh…!/2023(オー…!2023年:ガメイ)赤 2025年2月リリース
【2025年1月入荷】
全房で8日間マセラシオン。フードルで7ヶ月間の発酵と熟成。
仄かに紫がかった中程度の赤色。苺やフランボワーズ、ブルーベリー、ブラックベリーなど赤や黒の新鮮なミックスベリーやドライフルーツが混ざり合う香りに、赤や紫の花々の華やかさ、土、クローブやナツメグなどのスパイス香が加わり、これまでの赤い果実を主体とした軽快なスタイルに比べて充実感や深みのある印象が伺えます。口に含むと黒系果実の溶け込む香りからのイメージに比べて、ややトーンは落ち着いているものの赤い果実の風味に、甘さとほろ苦さをもつスパイスだけでなくカルダモンの爽やかな風味、角の取れた酸が溶け込むみ、柔らかくミディアムなタッチで、伸びやかに沁み渡ります。ドキッとするような、という意味合いのoh!と、フランス語で水という意味のeau(オー)を掛けた名前を思い出させるように、徐々に赤い果実の清らかさや透明感、エレガントな様子が増していきます。アフターにかけて、僅かにビターカカオのニュアンスが伺え、骨格や落ち着きのある雰囲気、抑揚のある奥行きが感じられる味わいが長く続きます。
●La Petite Oseille/2020(ラ・プティット・オゼイユ2020年:ガメイ)赤 2025年2月リリース
【2022年8月入荷】
全房で12日間マセラシオン。フードルで11ヶ月間の発酵と熟成。
僅かに濁りのある中程度の赤色。苺のリキュールやグレナデンシロップなどやや緻密な赤い果実に、カルダモンの爽やかなスパイス、お香、ムスク、土、竹墨、インク、煙などの香りが少しずつ絡み合い、しとやかな印象を受けます。抜栓直後は少し表情が硬く感じられますが、空気に触れて目覚めるかのように徐々に香りの膨らみ、繊細で滑らかな飲み心地が引き出されていくようです。張りのある酸が果実味を包み込み輪郭を描くように全体を支え、ムーラン・ナヴァンらしい骨格や凛とした佇まいを感じさせ、旨味に満ちた果実味が広がります。清涼感のあるスパイスだけでなく、ナツメグ、土などの風味が重なり深みや複雑性を与え、時折塩味が抑揚をつけながら奥行きのある余韻へと誘います。この先の熟成で滋味深さだけでなく、しなやかさや上品な印象がさらに増していくことが期待されます。
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