Jean-Francois Chene – La Coulee d’Ambrosia

●Orionides/2011(オリオニード:シュナン・ブラン)白微発泡 2022年6月リリース

【2020年9月入荷】
やや濃い黄色。柑橘や白葡萄の爽やかな果実香に、りんごの蜜やコンポートのを想わせる充実感のある果実の様子が溶け込み、僅かに鉄分のような香りが伺えます。ピリピリとした繊細なガスが舌の上を弾むように刺激し軽快感を掻き立て、キリッとした張りのある酸が全体を引き締めながら、白葡萄を皮ごと頬張ったようなフレッシュ感溢れる果実味と共に伸びやかに広がります。10年以上の時を重ねた今もなお、スッキリとした口当たりで若々しく溌剌とした果実の風味を留めつつ、ほどよく深みをもたらす凝縮したりんごなどの風味が解け、アフターにかけて旨味と奥行きが感じられます。抜栓2日目には果実味のフレッシュ感は変わらず楽しむことができますが、アフターに豆のニュアンスが見受けられます。そのため抜栓当日にお召し上がり頂くことで、爽やかで旨味ののった果実味を素直にお楽しみ頂けると思います。
●L’O2 Vigne/2014(ロードゥ・ヴィーニュ:シュナン・ブラン)白酸化熟成 2022年6月リリース
【2019年6月入荷】
粘土とシストの混ざる土壌構成。樹齢45年。全房プレスで小樽発酵。ウイヤージュなしで、フロールの下で約36ヶ月酸化熟成しています。酸化熟成香と果物の香りが渾然一体となり、オードヴィーを連想するところから付けられた名前です。2017年瓶詰め。
黄みがかった黄金色。白レーズンやフヌイユ、アーモンドなど薄皮の付いたナッツ、干し草、カカオなどの風味が混ざり合い、酸化のニュアンスは香りからも見受けられますが、充実感のあるフルーツの香りと相まって複雑で奥行きのある印象が感じられます。ピンと張りのあるシャープな酸が感じられ、すっと流れるような飲み心地で瑞々しささえ感じさせます。酸化熟成の期間は約3年間と他のヴィンテージの4〜5年の期間に比べ短いため、軽快な飲み心地と透明感のあるフルーティーな様子に旨味や奥深さがほどよく加わり、伸びやかな印象で口中を覆うように大きく広がります。じんわりと甘みが溢れ出すように現れ更に奥行きを与え、アフターには塩味が感じられ風味を支えながら引き締まったキレの良さと凛々しさを想わせます。未だフレッシュ感のある熟したフルーツの充実した風味と、酸化由来の旨味や奥深く複雑な様子が絶妙に溶け込み、贅沢な余韻を長く感じられる仕上がりです。
by
関連記事