Jean-Francois Chene – La Coulee d’Ambrosia

●Panier de Fruits/2018(パニエ・ド・フリュイ2018年:シュナン・ブラン)白 2022年11月リリース

【2022年10月入荷】
粘土・シスト土壌。樹齢約20年。全房プレスの後タンクで発酵・熟成。毎年このワインは果実味に溢れた印象になることからフルーツ・バスケットと言う意味の名前を付けました。2018年はシェネが手がけた最後のヴィンテージとなります。
黄みがかった黄金色。熟した杏やパイナップル、プラム、ミラベル、りんごのコンフィチュールやドライアプリコットなど、新鮮な果実とやや凝縮感のある果実が混ざり合うような香りが伺えます。小気味良く溌剌とした酸が感じられスッキリとしたアタックで、パイナップルから溢れ出るような果汁感や風味が口中を覆うように豊かに広がります。パイナップルやりんごのコンフィチュールのように果肉感のある果実を想わせる風味は、新鮮な果実味や酸と凝縮感のある果実味がバランス良く溶け込み思わず顔がほころぶようなフルーティーな印象で、アフターに僅かな塩気が感じられ全体を引き締めつつ、鼻腔に抜けるパイナップルのような香りを引き立てます。これまでのヴィンテージの中で一番その名にふさわしいフルーツバスケットといった仕上がりです。抜栓3日目には豊かな果実味はやや控えめになり、アフターに豆のニュアンスがやや感じられますので、溢れるような豊かな果実味を楽しんで頂くために2日以内で味わって頂くことをお勧め致します。
●Mon Eurydice/2016(モン・ユリディス2016年:シュナン・ブラン)白 2022年11月リリース

【2022年10月入荷】
シェネの妻ジョアンナが、「パニエ・ド・フリュイとロードゥ・ヴィーニュの中間のような味わいのワインがあると良いね」と言った事がきっかけで醸造したもので、2016年がこのキュヴェの初ヴィンテージとなります。
粘土・シスト土壌。樹齢約20と45年。ダイレクトプレスの後、オリオニードに使用されている古樽で約24ヶ月発酵・熟成。熟成中に酸膜が張ることを避け、ミネラル感や果実味を残し樽由来の奥深さと調和させるために、2回のウイヤージュを行いました。
黄金色。プラムやアプリコット、りんご、パイナップルなどを想わせる果実感のある果実の香りに、白レーズンやドライアプリコットなどやや充実した果実香、加えて仄かにカラメルや鉄分のような香りが感じられ、豊かな果実の中に深みを与えています。口に含むと瑞々しささえ想わせる澄んだ飲み心地で、甘さ控えめのりんごやパイナップルのコンフィチュールのように充実感のある果実味に、その風味を持つフルーティーな酸が伸びやかな印象を与え全体を引き締めます。徐々にたっぷりとした果実の風味にオードヴィーのような深みや奥行きが重なり、旨味感が溢れ、複雑性に富んだ味わいが引き出されていきます。透明感がありフルーティーな風味がしっかりと伝わり、それでいて複雑で奥深く旨味に溢れた秀逸で魅惑的な仕上がりです。
エチケットに描かれた竪琴は、ギリシャ神話のOrpheeEurydiceの愛の物語を想わせます。竪琴で人や動物、物や木々など全てを魅了するOrphee、彼の妻である山と水の精Eurydice。毒蛇に噛まれ命を落としたEurydiceを生き返られせる為に奔走した妻への愛のお話ですが、まさに、シェネの妻ジョアンナへの想いが詰まったワインだと感じさせます。Orpheeの竪琴のように、このワインも私たちを魅了してくれる事でしょう。
●Boit Sans Soif/2014(ボワ・ソン・ソワフ2014年:グロロー)赤 2022年11月リリース
【2022年10月再入荷】
2017年5月販売致しましたアイテムの再入荷となります。
粘土・シスト土壌。樹齢約35年。10日間のマセラシオンカルボニック。この名前は、果実味が多く飲みやすいというスタイルから由来しています。
抜栓時やや還元的な印象が伺えますが、スワリングして頂ければ解消されますし、口中では感じられません。また、1時間程度で払拭され、それ以降果実の甘やかな香りが増し、数日経過しても果実の風味が崩れることなくお楽しみ頂けます。
オレンジがかった淡い赤色。2017年の販売時はアセロラやさくらんぼ、クランベリーなどを想わせる赤い果実の印象でしたが、熟成の過程で培われた複雑性や深みが加わり、苺とフランボワーズのコンフィチュールやドライ苺のような充実した赤い果実の甘やかな香りに、仄かにドライハーブなどの印象が感じられます。それでいて、色合いなどからも見受けられるように、喉の渇きを潤してくれるような軽快なスタイルであることは容易に想像できます。舌先をピリッとかすめるガスがあたり、未だフレッシュ感を掻き立てながら、ピュアな赤い果実の果汁のように清らかに体へと沁み込みます。口中では岩清水のような飲み心地とは裏腹に、複雑性を伴う充実感のある果実味や甘やかさが大きく膨らみ、長く留まります。アフターにかけて、水が弾けるような朝摘みの苺やフランボワーズを軽いコンフィチュールにしたような可愛らしい香りが抜けていき、熟成由来の奥行きと可憐な印象が溶け込んだ印象が残ります。
●Le Villageois/2018(ル・ヴィラジョワ2018年:カベルネ・フラン)赤 2022年11月リリース
【2022年10月入荷】
風化が進んだシスト土壌。樹齢約65年。2/3は除梗し、1/3は全房でタンクに入れ、発酵中はピジャージュを行います。25日間のマセラシオンカルボニックの後約24ヶ月小樽で熟成。この名前はAOC Anjou Villageを捩ったところからきています。
2018年はシェネが手がけた最後のヴィンテージとなります。
深いルビー色。熟した赤い果実とグレナデンやドライフルーツなど凝縮した果実のニュアンスが混ざり合う香りに、土やたばこ、鰹だしなど深みを与えるような香りが感じられます。しなやかなタッチの澄んだ飲み心地で口中へと沁み渡り、カベルネ・フランと言うイメージよりもボーヌやマコンのエキスの詰まったピノ・ノワールを想わせ、充実した赤い果実味は緻密な様子で、伸びやかな張りのある酸が繊細さを引き立てながら大きく広がります。徐々に黒系果実のニュアンスやビターカカオ、仄かに青みがかった風味、鰹だしのような旨味感などが加わり複雑性や深みが感じられ、クレッシェンドのようにエキスが凝縮されていき充実感が残ります。喉を通りふわりと鼻腔に抜ける香りは、口中に膨らんだ複雑性のある果実味に、摘みたての葉付きの苺のように若々しく可愛らしい様子を想わせます。アタックのピュアな印象からアフターの充実した様子と可憐な印象など魅力的な抑揚が感じられる仕上がりです。今後の熟成で更に妖艶で気品に満ち、旨味溢れる味わいが引き出されていくことと期待が湧きます。
*下記の3アイテムは甘口となります。通常のワインに比べ高価ではありますが、甘口は葡萄の収量が特に少なく、乾燥し凝縮するため果汁を取ることが困難です。また亜硫酸なしでの醸造はお酢になってしまう可能性もあるため非常に貴重といえます。500mlで価格帯的に一見高価に感じますが、一度に大量に飲むようなスタイルのワインではありませんし、抜栓から2年以上経ても劣化することがなく、味わいの変化をゆっくりお楽しみ頂けますので、ある意味安価といえるのではないでしょうか。抜栓後も時間をかけてゆっくりご提供頂けますので、この機会にお試し頂ければ幸いです。
●Douceur Angevine Le Clos des Ortinieres/2006/500ml(ドゥーセール・アンジュヴィーニュ・ル・クロ・デ・オルティニエール2006年:シュナン・ブラン)白甘口 2022年11月リリース
【2022年10月再入荷】
2018年6月販売致しましたアイテムの再入荷となりますが、以前販売した際の印象と変わらない味わいや風味で不老不死かと思わせるような印象を受けました。2005年は2006年に比べ甘やかさや奥深いコクが強く、2006年は甘やかでありながら伸びやかですっと馴染むような印象で、同区画の葡萄のヴィンテージによる違いをお楽しみ頂けると思います。
粘土・シスト土壌。樹齢45年。貴腐葡萄を使用し全房プレスで小樽発酵。ウイヤージュなしで軽いフロールの下で4年間熟成。
深い琥珀色。ラムレーズンやメープルシロップ、たばこなどの深みのある香りの奥に、白いレーズンやフレッシュな白葡萄の香りがフワッと薫ります。その一瞬感じる爽やかな香りが芳醇な甘い風味に心地よいアクセントになっており、引き込まれるようにもう一度確認したいという気持ちが掻き立てられます。ジャン・フランソワの甘口はただ甘いだけのものではなく、メリハリのある綺麗な酸や仄かな塩気などを感じ、コクや深みだけでなく口中に広がる味わいに抑揚を感じさせます。杏などの果実味もしっかりと感じられる天然の甘みを堪能することが出来ます。
●Douceur Angevine Le Clos des Ortinieres/2005/500ml(ドゥーセール・アンジュヴィーニュ・ル・クロ・デ・オルティニエール2005年:シュナン・ブラン)白甘口 2022年11月リリース
【2022年10月再入荷】
2019年10月販売致しましたアイテムの再入荷となります。
粘土・シスト土壌。樹齢約45年。貴腐葡萄を使用し全房プレスで小樽発酵。ウイヤージュなしで軽いフロールの下で3年間熟成。
琥珀色で茶葉のような澱が瓶底に多くみられます。蜂蜜やメープルシロップなどの甘い香り木樽由来の軽いフュメ香やドライハーブなどが感じられます。口に含むと香りの風味の他にアプリコットやリンゴのコンポートのような風味にカルダモンやシナモンのようなスパイシーさがやや加わり、フルーツ由来の優しい甘さがほどよい酸と共にゆっくりと広がります。アフターには塩味が僅に感じられ、この塩味はバランスの決め手と言っても過言ではありません。ややとろりとした甘さと流れがありジュワッと旨味を引き出すような酸、そしてスパイスや甘草のようなドライハーブのニュアンスはそれぞれ感じられるタイミングは絶妙で、心を落ち着かせるような贅沢な気分を持たせつつ、アフターの僅な塩味で甘さや風味をより引き立てつつ締まりをよくキレの良い後味です。
●Ambroisie/2008/500ml(アンブロワジー2008年:シュナン・ブラン)白甘口 2022年11月リリース
【2022年10月入荷】
粘土・シスト土壌のL’O2 VigneAmazoneと同じ畑で樹齢約45年。遅摘みの葡萄を約2ヶ月藁の上で陰干して、6日間かけてゆっくりとプレス。ダムジャム(ガラスの容器)で発酵・熟成し、その後アケ家(Hacquet)が醸造した最後のヴィンテージでL’O2 Vigneのような特徴を持つワインが入っていた55Lの小樽を譲り受け、約8年間熟成。名前の意味はギリシャ神話にあるネクタール、神々への捧げもので不老不死の霊薬とされています。
琥珀色。ドライアプリコットやレーズンなど凝縮感のある果実香に、蜂蜜やビターカラメル、メープルシロップ、ドライハーブなど複雑性を与える香りが加わります。グラスに顔を近づける度に少しづつ香りが変化し、カカオ、シナモンやクローブなどのスパイス香などが現れ、魅惑的な様子が際立ちます。とろりとした粘性のある液体は緩やかにグラスに流れ落ち、嗅覚だけでなく視覚からも引き込まれるような印象を受けます。口に含むと舌の上を沁みていくようにじんわりと広がり、やや香りに感じられたドライフルーツのような充実感のある果実味とビターカラメルやメープルなど様々な要素が絡み合い、コク深く複雑性を帯びながら満ちていくように大きく膨らみ、旨味が溢れます。円みのある甘美で奥深い果実味やオードヴィーのような風味に、メリハリを与えるような伸びやかな酸や時折感じる塩味が抑揚を感じさせ、鼻腔に抜けるビターカカオやカラメルなどの風味がリッチで大人びた雰囲気を想わせます。甘さや深みだけでなく酸や塩味が絶妙なバランスで溶け込む味わいは、葡萄本来の甘みや地中や樽などから得た様々な要素を最大限に引き出し、忍耐強さやブレのない信念を持つシェネにしか造り出せないのではないかと想わせる、得も言われぬほどの充実感や多幸感に包まれるような魅力的な仕上がりです。
アケ家(Hacquet)アンヌ、フランソワーズ姉妹とその兄ジョセフが、1954年から有機栽培・亜硫酸無添加のワインを造り続けたナチュラルワインの先駆者。アンヌ・フランソワーズ・ジョセフの区画の畑は、現在レ・ヴィーニュ・ド・ババスのセバスチャン・デルヴューが譲り受けています。
 
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