Laurent Bannwarth

●Gewurtztraminer/2020(ゲヴェルツトラミネール)白 2022年8月リリース

【2022年6月入荷】
黄金色。抜栓時にやや還元的な印象を受けますが、スワリングで解消される程度です。ライチやプラムなどの魅惑的な果実香に、ジャスミンや紅茶など高貴で華やかな香りが溶け込み、アロマティックな様子が伺えます。アタックは紅茶飴が溶けていくように芳醇で甘やかな風味が馴染み、オリエンタルなイメージのある果実味に、ジャスミンティーやアールグレイなどの茶葉を想わせる風味が解け合いながら広がります。小気味良い酸と柑橘の内皮のようなほろ苦さ、生姜のピリッとしたスパイスの風味が感じられ、膨らみのある豊かな風味に軽快感やメリハリを与えています。アフターにかけて仄かにミルクティーのような風味が現れ、まろやかさと旨味感のある印象を残します。
●Riesling 2eme mise/2018(リースリング2回目の瓶詰め)2022年8月リリース
【2022年6月入荷】
やや濃い黄色。晩柑などの和柑橘や黄プラム、りんごのコンポートなどの果実香に、メレンゲ菓子、リースリング特有のペトロール香や鉱物的な香りが感じられます。仄かな甘みが舌先にあたり馴染みやすいアタックで、柑橘果汁を想わせる引き締まった酸や風味に溢れるような旨味が溶け込みながら広がります。色合いや飲み心地には透明感が伺われますが、口中に膨らむ印象は濁りを伴うような旨味感がたっぷりと感じられます。開いていくにつれ柑橘系の果実味に加えて、徐々に柑橘のピール菓子などのやや凝縮した風味や糸飴のような芳ばしい風味が現れ、キリッとした味わいの中に奥行きを与えながら口中に長く留まります。凛々しく張りのある様子と旨味が絡み合う辛口の仕上がりです。
●Pep’s de Gewurzt/2018(ペップ・ド・ゲヴェルツ:ゲヴェルツトラミネール)2022年8月リリース
【2022年6月入荷】王冠
濁りのあるオレンジがかった黄色。熟したアプリコットやライチ、プラムなど香り高い果実香に、紅茶や生姜、ビターカカオ、カラメルなどを想わせる香りが感じられフルーティーな印象に、熟成由来の奥深い複雑な様子が加わります。ごく僅か舌先をかすめる程度のガスがあたり、残糖を感じさせる紅茶飴のような甘やかさとアロマティックな果実味に、複雑で華やかな風味が溶け込みながら広がります。凝縮感のある果実の風味に紅茶や生姜の風味がメリハリを感じさせ、アフターにかけてメープルシロップやカラメルのような風味が重なり、更に複雑な印象が残ります。若干の揮発酸を感じますが、甘やかでアロマティックな風味が強くバランスが取れています。残糖があるため、今後の熟成の過程で発酵が進みガスが多くなり辛口傾向に進む可能性がありますので、この先の熟成にも期待が湧きます。
●Pinot Noir/2020(ピノ・ノワール)2022年8月リリース
【2022年6月入荷】
深いルビー色。ソフトドライの苺やフランボワーズ、グレナデンなど赤い果実の凝縮感のある香りに、軽いフュメ香や土の香りが加わり、若々しい様子の中に落ち着きのあるエキスの詰まった印象を受けます。口に含むとフランボワーズソースのように緻密で華やかな果実味に、熟したブラックベリーやカシスなどの風味が加わる様子で、引き締まった酸がバランス良く感じられ、溌剌とした透明感溢れる印象で広がります。若々しくピュアな果実味に仄かなフュメ香が解け、こなれ感や上品な佇まいを想わせます。今後の熟成により旨味や複雑性に富んだ味わいが引き出されていくことでしょう。
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