Jean-Francois Chene – La Coulee d’Ambrosia

●Orionides/2016(オリオニード2016年:シュナン・ブラン)白微発泡 2023年6月リリース

【2022年10月入荷】
粘土とシストの混ざる土壌構成。樹齢約60年。全房プレスで小樽発酵。翌年の収穫中に澱引きしてアッサンブラージュ。これに2017年のジュースを砂糖の代わりに加え、瓶内で発酵させたものです。オリオニードは「オリオン座流星群」のことで、ジャン・フランソワの息子さんが「瓶の中で泡が流れ星みたいに踊っているね」と言ったことから付けられた名前です。
黄金色。りんごやアプリコットのコンフィチュール、熟した黄プラム、擦りおろしりんご、白レーズンなどの充実感を感じさせる果実香に、鉄分、カラメルのような芳ばしい香りが加わります。ピリピリと舌先を刺激する微細なガスが弾むような印象を持たせながら、杏や黄プラムのようなフレッシュ感のある酸や風味を伴う凝縮感のある芳醇な果実味、それに熟成由来のカラメルやメープルシロップ、マヌカハニーやドライハーブ、シナモン、ナツメグ などの風味がほどよく溶け込みながら大きく口中に膨らみます。アップルパイのりんごのような充実感のある果実味に熟成由来の複雑性、やや酸化的なニュアンスなどがコクや奥行きを感じさせるリッチな印象が口中に長く留まります。それでいて新鮮な果実の伸びやかな酸が豊かな風味を支え、メリハリや軽快感を感じさせる仕上がりです。
●Boit Sans Soif/2017(ボワ・ソン・ソワフ2017年:グロロー)赤 2023年6月再リリース
【2022年10月再入荷】
2021年7月販売致しましたアイテムの再入荷となります。
粘土・シスト土壌。樹齢約35年。10日間のマセラシオンカルボニック。この名前は、果実味が多く飲みやすいというスタイルから由来しています。
仄かにオレンジがかった淡い赤色。ドライ苺や苺のコンフィチュールなどやや充実した赤い果実に、クランベリーやフランボワーズの酸味のある
果実、葉付きの苺のような仄かに青みがかった香り、赤や紫の花などが加わり華やかさや清涼感を感じさせます。ピリピリと舌先をかすめるようなガスがあたり溌剌とした印象を想わせながら、瑞々しく喉を潤すような清らなかな飲み心地で口中へと流れます。赤いプラムやすもも、フランボワーズ、クランベリーなどが混ざり合う、甘酸っぱい愛らしい果実味が広がり、徐々にジューシーな果実の風味にシナモン、ナツメグ などのスパイス、ピンクグレープフルーツの果皮や内皮のほろ苦さや風味が加わり抑揚を与えています。抜栓3日目には豆のニュアンスが感じられますので、軽快な飲み心地と可憐な果実味の一体感をお楽しみ頂くために、抜栓当日にお召し上がり頂くことをお勧め致します。
●Le Villageois/2017(ル・ヴィラジョワ2017年:カベルネ・フラン)赤 2023年6月リリース
【2020年9月入荷】
風化が進んだシスト土壌。樹齢約65年。2/3は除梗し、1/3は全房でタンクに入れ、発酵中はピジャージュを行います。25日間のマセラシオンカルボニックの後約24ヶ月小樽で熟成。この名前はAOC Anjou Villageを捩ったところからきています。
ルビー色。グレナデンやグリオットチェリーのコンポート、ドライ苺やコンフィチュールなどやや凝縮感のある果実香、加えてドライフラワーや土、たばこ、ビターカカオなどの香りも感じられます。張りのある酸が引き締まった印象と軽やかさを与えながら繊細なタッチで口中へと進み、
赤い果実の充実感やチャーミングな印象に、ビターカカオやドライフラワーなど熟成の過程で得られたこなれた様子や複雑性、奥行きが加わり、落ち着いた雰囲気が広がります。舌には微細なタンニンが残り、醸造当時しっかりとした味わいだったことを想わせながら、仄かにバニラのようなまろやかな風味が鼻腔に抜け優しい余韻が続きます。凛とした酸があることでゆっくりと熟成が進んでおり、その変化しゆく過程でも果実味は様々な要素を取り込み複雑さをまとい、そして余分なものは少しづつ削ぎ落とされ繊細で、穏やかさや上品な雰囲気、旨味がぐっと引き出されてきています。この先の熟成で一層透明感や魅惑的な風味が増していくことでしょう。
●L’O2 Vigne/2012(ロードゥ・ヴィーニュ2012年:シュナン・ブラン)白酸化熟成 2023年6月リリース
【2019年6月入荷】
粘土とシストの混ざる土壌構成。樹齢45年。全房でマセラシオンカルボニック。プレス後に小樽発酵。ウイヤージュなしで、フロールの下で約5年間酸化熟成しています。酸化熟成香と果物の香りが渾然一体となり、オードヴィーを連想するところから付けられた名前です。2017年瓶詰め。
ややオレンジがかった薄濁りの黄色。ラムレーズンや白レーズン、カカオ、ビターカラメル、メープルシロップ、フヌイユ、ニワトコの花、ドライハーブ、干草、野菜のブロードなど複雑な香りや少し甘やかな様子が伺え、酸化熟成と言ってもそれほど強い印象は受けません。角が取れ伸びやかに先へと導くような酸が感じられ凛とした印象を与え、それでいて鋭角な印象は受けず、軽やかで円みのある口当たりで口中へと広がります。他のヴィンテージに比べて、果実の甘やかな風味が強く感じられ、凝縮したフルーツのニュアンスにビターカラメルやビターカカオなどほろ苦く芳ばしい風味など香りに感じられた様々な要素が絡み合い、口中を覆うように膨らみます。酸化由来の旨味や深みだけでなく、全体を支えるようなシャープ感も与え、反してまろやかな印象や甘みなども感じられます。それらは不思議とバランス良くまとまっており、果実の充実感に旨味やコク、奥行きや複雑性に富んだ仕上がりです。
●Amazones/2008(アマゾヌ2008年:シュナン・ブラン)白甘口 2023年6月再リリース
【2019年6月入荷】
L’O2 VigneとAmbroisieの中間の時期に収穫。ウイヤージュなしで軽いフロールの下で熟成。2017年に瓶詰め。
オレンジがかった琥珀色。レーズンや蜂蜜、木樽由来の芳ばしさやカラメル、メープルシロップ、そしてほどよいビターカカオのような香りが甘さの中にどこか大人びた雰囲気を漂わせます。口に含むと蜜のようにゆっくりと流れ、ドライフルーツの甘やかな風味の中に、香りに感じられたカラメルなどの様々な風味が複雑さやコク深さを、酸や仄かな塩味が感じられることで抑揚を与えています。未だ若々しい果実味を兼ね備え、ブランデーやカカオのような風味や香り、甘さの中にも終始締まりのある酸が調和を保ちつつ甘すぎない飲み心地が続きます。鼻腔には僅かにターメリックやコリアンダーなどカレーを想わせる香りやドライハーブなどの香りが抜け、ややオリエンタルな印象を残します。
●L’Odysee/2008(ロディセー2008年:カベルネ・フラン)白甘口 2023年6月再リリース
【2019年6月入荷】
樹齢65年のカベルネ・フランを11月に収穫。これを藁の上で陰干ししたもの。ヴァン・ド・パイユを造るのは2005年以来で、プレスした時点で前回とはジュースの香りがまるっきり異なることに気がつき、糖分や酸の凝縮感も異なっていました。バランスを取るために結果として10年に及ぶ樽熟成を経てリリース。
名前の由来はギリシャ神話に登場するオデュッセウスの旅ですが、知の探求の意味もあります。ナチュラルワイン造りも苦難と冒険、思考の旅と考えておりその意味も込めて。このワインにおける収穫から醸造で、パイユを造れる年は極めて限定されており、葡萄の樹に付いている状態で酸化と乾燥がかなり進んでいる必要があると悟ったそうです。この年以降、パイユを造ったのは2015年のみとなります。
オレンジがかった琥珀色で、黒葡萄で造ったとは思えないほど色調は赤からはほど遠い色合いです。ラムレーズンや白レーズン、ビターカラメル、カカオ、メープルシロップ、コリアンダー、ナツメグ、クローブなど凝縮感のある果実や芳ばしいビターな印象、スパイスなど複雑な香りが漂います。甘口ではありますが、張りのある酸があることで口当たりは意外にさらりとした馴染みやすい印象で、滑らかに口中へと流れ込みます。ビターカラメルのようなほろ苦さとラムレーズンから溢れ出るような甘やかな風味、加えてパンデピスなどのスパイシーさが溶け込み、複雑性のある大人びた印象で、酸とビターな風味が甘さのバランス整えながらほどよい甘みが広がります。余韻にはクリームブリュレのようなビターカラメルとまろやかな風味が優しく続き、魅惑的でリッチな印象が残ります。
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